静岡の防災訓練での新たな試み
日本モバイル建築協会(以下、モバ協)は、令和7年度の静岡県・焼津市・藤枝市総合防災訓練に参加し、災害時の応急仮設住宅として利用できる木造モバイル建築ユニットを展示します。この取り組みは、災害による被害を最小限に抑え、迅速に居住空間を提供するための重要な一歩です。
訓練の概要
訓練は、2025年10月19日(日)に、焼津市の大井川防災広場で行われます。時間は08:00から12:00までで、静岡県、焼津市、藤枝市が主催します。モバ協は、実際に居住できる仕様の木造モバイル建築ユニットを展示し、その特徴や利便性を参加者に伝えます。
展示内容
展示されるユニットは、災害時に迅速に設置できる木造型の応急仮設住宅です。スケルトン状態で提供され、構造が分かりやすくなっています。ユニットの仕様は以下のとおりです:
- - 建築面積: 約42.49㎡
- - 最高高さ: 3,283mm
- - 間取り: LDK(15.67㎡)、洋室2室、浴室、洗面脱衣室、トイレ
- - 構造: ユニット組立式
この展示を通じて、モバ協は木造住宅の品質を説明し、参加者にその利点を理解してもらうことを目指しています。業界関係者による具体的な解説も予定されており、実際の設置スケジュールの紹介も行われます。
モバイル建築の特徴
モバイル建築は、オフサイトで製造されたユニットを現地で組み立てる新たな建築方式で、以下のような特長を持っています。
1.
迅速設置: 現場での施工に比べ、数日で設置が完了する。
2.
恒久住宅としての利用可能性: 災害後もそのまま使用でき、必要に応じて移設や再利用が可能。
3.
高品質な木造住宅: 耐震等級3、断熱等級6を推奨されており、一般住宅と同等の性能を持つ。
大規模災害時には、被災者に早急に安全な住環境を提供することが重要です。モバイル建築は、迅速性と品質の高さから、被災者のQOL向上に寄与すると期待されています。
過去の実績
モバ協は、令和6年能登半島地震の際、迅速に人々の生活を支えるための応急仮設住宅を供給しました。この成功例をもとに、今後の取り組みに活かされるでしょう。具体的には、仮設住宅から本設住宅へ移行する仕組みも導入されており、地域の復興において持続可能な方法が模索されています。
今後の展望
今回の防災訓練への参加を通じて、モバ協は防災意識向上に寄与すると共に、地域工務店や行政との連携を深めていく予定です。南海トラフ地震などの大規模災害への備えを強化し、平時には空き家の再利用や地域創生にも貢献する新たな住宅供給モデルの確立を目指します。これにより、地域の住まいの確保や復興が持続可能な形式で進むことが期待されています。