企業価値を高めるための桜美林大学の特別プログラム
桜美林大学は、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から企業価値を向上させるための実務者養成プログラムを実施しています。このプログラムは、企業経営における財務情報だけでなく、非財務情報にも重きを置くことを目的としており、特に近年重要性が増しているサステナビリティの課題に対する理解を深め、適切なアプローチを身につけることを目指しています。
非財務要素の重要性と統合思考
企業価値の構成要素の中で、財務諸表に表示される資産の価値だけではなく、非財務要素(無形資産)の比率が高まっています。これは、企業経営において非財務情報と財務情報を繋げる「統合思考」が必要であることを物語っています。特に、企業が直面するサステナビリティ問題に適切に応じるためには、非財務要素を理解し、それを財務指標と関連付けることが重要になります。
日本では、大手企業を中心に統合報告書の作成が増えており、その中でも非財務要素やサステナビリティに関する情報が記載されることが増加しています。しかし、未だにPBR(株価純資産倍率)が1倍以下の企業が多く、非財務の価値が十分に理解されていない状況もあります。プログラムでは、こうした課題を認識した上で、企業価値と非財務情報の関係性を深掘りし、どのように理解を促進できるかを探ります。
プログラムの概要と学習内容
このプログラムでは、全7回にわたって講義が行われ、各回ごとに異なるテーマが取り上げられます。例えば、第1回では非財務・無形資産の価値とその意義について学び、ビジネスにおける活用方法について議論します。続く回では、コーポレートファイナンスの枠組みを用いた非財務要素の位置付けや、ロジックモデルに基づいて社会的価値の創出や財務面の成果に結びつける手法について学びます。
参加者は、実際の統合報告書や成功事例をもとに、どのように非財務要素と財務を絡めて企業価値を高めるかを考え、発表の場も設けられています。これにより、理論的な知識だけでなく、実践的なスキルも培うことが可能です。特に、最終回となるワークショップでは、参加者自身が価値創造のストーリーを発表し、相互にフィードバックを行うことで、実際のビジネスシーンでも通用するスキルを養います。
対象者と実施形態
プログラムは、上場企業のIR(インベスターリレーションズ)部門、経営企画部門、サステナビリティ部門の担当者を主な対象としています。また、機関投資家やアナリスト、経営幹部、次世代リーダー候補者にも大変有益です。加えて、サステナビリティ経営の分野で新たなキャリアを見据えている方にも適しています。
開催形式はオンラインまたはハイブリッドで、参加者は自分のスタイルに合わせた受講が可能です。各授業は90分から120分で、専門家による講義と討論も行われます。これにより、実務に役立つ理論と実践的な知識を同時に獲得できる機会となっています。
プログラムのメリット
このプログラムでは、企業価値を高めるための戦略や手法を学べるだけではなく、社内の各部署間で共通の言語を持つことで、協力し合って効率よくサステナビリティを推進するための基盤を構築できます。これにより、企業全体の意識が統一され、投資家との対話が円滑に進むことで企業価値の向上へと繋がります。
今回のプログラムを通じて、参加者は非財務要素を財務に結びつけ、自社のサステナビリティ活動がどのように企業価値の向上に寄与するかを効果的に説明するスキルを身につけることが期待されます。興味のある方は、ぜひ参加を検討してみてください。