ケーエスケーと日立、医薬品配送業務のデジタル化へ
近年、多くの業界でデジタル技術が進化する中、株式会社ケーエスケーと日立製作所が手を組み、医薬品配送業務において大規模なデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。この取り組みは、医薬品卸売業を担うケーエスケーが、日立のLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics(HDSL)」を使用し、従来の手作業による業務をデジタル化するものです。
DX導入の狙いと具体的な内容
今回の協創では、いくつかの重要な改善点があるとされています。まず、大阪支店において、医薬品の出荷時に倉庫内での荷合わせ検品のデジタル化を実施します。このプロセスは、得意先での商品受領業務も含まれ、2025年9月から試験運用を開始する予定です。これにより、配送及び作業の実績データを一元管理し、高度な分析が可能となります。
また、リアルタイムでのデータ管理を実現することによって、配送計画や作業の効率性を大幅に向上させることを目指しています。この新しい取り組みは、医薬品配送の現場での効率を高めるだけでなく、管理業務の質も引き上げることに貢献します。
将来的な拡大計画
このイニシアティブは、単に大阪支店にとどまらず、ケーエスケーの全32支店へと段階的な展開を計画しています。この展開により、医薬品の配送業務全体がデジタル化され、各支店での作業効率が向上すると期待されています。
ケーエスケーは、物流のスマート化を推進する一環として、業務の効率化や最適化を進め、外部環境の変化にも柔軟に対応できる体制を整えるとしています。また、DX推進やSDGsの達成に向けた新たな価値提供も視野に入れています。
HDSLがもたらすメリット
日立のHDSLを駆使することで、ケーエスケーの物流センターや倉庫全体での最適な配送計画が実現し、持続可能な物流が構築されます。この取り組みは、AIやデータ分析技術を統合することで、様々な顧客や地域社会が直面する課題の解決を目指しています。
さらに、HDSLは、ドライバー間のルート調整や配送先の割り付けを自動化し、業務の効率を著しく向上させる効果が見込まれています。これまで手作業で行われていた作業の負担を軽減し、サステナブルな経営にも寄与することでしょう。
ケーエスケーと日立のビジョン
ケーエスケーは「地域に寄り添う、健康スペシャリスト企業」への成長を目指し、多様な地域活動を展開しています。同社の医薬品流通事業は、信頼性を重視しており、地域のヘルスケア支援に注力しています。
一方の日立は、広範な社会イノベーション事業を展開しており、デジタルシステムの有効活用によって、社会全体の活性化に貢献し続けています。この協創は、両社の強みを生かし、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなることでしょう。
今回の医薬品配送業務のDXは、物流業界における新たな幕開けと言えます。ケーエスケーと日立の取り組みは、今後の医薬品流通の未来を大きく変化させる可能性を秘めています。地域社会との結びつきを強め、健康で持続可能な未来への道を切り開くことが、両社の目指すところです。