ノーノーマル時代のリーダーシップを考える
2025年4月15日、株式会社Trustyyleが運営する「人事図書館」において、山本紳也氏の新著『ノーノーマル時代を生き抜く リーダーシップの教科書』の出版記念イベントが開催され、多くの参加者で賑わいました。このイベントでは、リーダーに求められる新しい考え方や行動指針がテーマとなり、山本氏が30年以上の経験をもとに自らの知見を語る貴重な機会となりました。
変化に対応する柔軟な思考
現代のビジネス環境は過去の成功体験が通用しない「ノーノーマル」と呼ばれる時代に突入しています。山本氏は「従来のような慎重さではなく、行動しながら学ぶアジャイルな姿勢が求められている」と述べ、特にリーダーは多様な意見を交わしながら、自律的な職場環境を作ることが重要だと強調しました。
参加者たちも、この考え方に共感。自分たちのリーダーシップスタイルをどのように変えればよいのか、今後の課題として考える良い機会になったようです。
「10のコンピテンシー」とは
特に注目されたのが、山本氏が提唱する“10のコンピテンシー”。その中でも「好奇心」と「ビジョン」が際立っており、リーダーは他者の意見や背景に関心を持つことが重要とされています。好奇心が活性化すれば、小さな変化をキャッチしやすくなり、組織の活性化につながることが強調されました。
また、ビジョンについては、最終的な目的や方向性が明確であれば、判断が揺らいでも影響を受けないことが重要です。リーダーは自らの価値観や倫理観を明示し、メンバーに信頼される存在である必要があります。
メンバーの自発性を引き出す
「どうやってメンバーのやる気を高めるか」という質問に対して、山本氏は「好奇心を引き出すスペースを大事にし、行動の目的を明確にすることで、メンバーが自ずと学ぶ環境を作ることが大切」と解説。トップダウンではなく、メンバーの声を尊重する姿勢が求められています。
組織の楽しさと新しい挑戦
山本氏は、「正解がない今の時代だからこそ、リーダーはメンバー同士の好奇心を高め、対話を促進する場をデザインすべき」とも強調しました。常識に囚われずに柔軟に動き続けることが新たなリーダーシップのスタンダードになりつつあります。このメッセージは、参加者たちに多くの気づきを与えました。
参加者の声
イベント終了後には参加者からのアンケートがあり、「人事の仕事の範囲を再定義すべきだと感じた」「ノーノーマル時代のリーダーに必要な思考法が学べた」「働きがいある職場を意識したい」といった感想が寄せられました。多様な意見が交わされるこのイベントは、今後のリーダーシップ論に新たな光を与えるものとなりました。
イベントのまとめ
山本氏の経験や知見は、多くのリーダーにとって、これからの組織に必要な思考法や行動指針を提供するものでした。ノーノーマル時代において、リーダーがどのように組織を“楽しむ”ことができるのか、これからの課題として向き合っていきたいものです。コワーキングとコミュニティの融合が図られる「人事図書館」は、これからの人事に携わる方々にとって、貴重な学びの場となることでしょう。