バングラデシュと日本をつなぐ新たな一歩
2025年10月、バングラデシュにおいて「B-JET(Bangladesh-Japan ICT Engineers' Training Program)」第15期が開講されました。このプログラムは、主にバングラデシュのIT関連学部を卒業した若手人材と日本企業を結びつけることを目的としています。運営の主体は株式会社新興出版社啓林館となり、独自の日本語教材を開発することで日本語教育の充実を図っています。
B-JETの目的とその意義
バングラデシュでは、IT産業の成長が期待されており、毎年約2万人のデジタル人材が誕生しています。しかし、国内の給与水準や雇用の安定性が問題視されており、多くのITエンジニアがその能力を十分に発揮できていないのが現状です。一方、日本では2030年に最大で79万人のIT人材が不足すると予想されています。
B-JETは、これらの課題を解決し、国境を越えた学びを通じて人材と企業が共に未来を築くための産官学連携のプラットフォームです。ITエンジニアの採用だけでなく、社会課題の解決や企業の海外展開に取り組む姿勢を持つ企業との協力も呼びかけています。
第15期のプログラム内容
第15期では、受講者数は24名を予定しており、運営にあたる宮崎国際教育サービス(MIES)と協力し、日本語教材の開発が進められています。完成した教材は、一般販売も予定しており、日本語教育の全体の底上げを図ることも狙いです。開講期間は2025年10月から2026年3月までの間、受講者は日本市場を意識した人材育成に従事します。
B-JETの歴史
B-JETは2017年に始まり、当初は独立行政法人国際協力機構(JICA)とバングラデシュ政府が共同で運営していました。2021年からは、複数の大学や企業が協力してプログラムを引き継ぎ、多くの卒業生が日本でITエンジニアとして活躍しています。現在までに約250名の卒業生が日本で経験を積み、企業の海外展開を支える人材としても重宝されています。
B-JETが目指す未来
B-JETセンターでは、バングラデシュの若者が集う拠点として、学びや挑戦の機会を提供します。このセンターによって、受講生同士のネットワークが広がり、互いの成長を促す環境が整います。新興出版社啓林館は、受講生の挑戦を支え合い、日々の学びが実を結ぶことを期待しています。
結論
バングラデシュと日本を結ぶ「B-JET」第15期は、両国のIT人材問題の解決に向けた重要なステップになることでしょう。社会に必要な人材を育成し、エンジニアとしてのキャリアを切り拓く新たな舞台が整うこのプログラムが、未来の可能性を広げることを期待しています。今後の展開にも注目です。