映画館で体験するバレエの魅力
『英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ2024/25』シーズンの一環として、2月21日から映画館で『シンデレラ』が公開されます。シンデレラ役に抜擢された金子扶生が魅せる等身大のヒロインとしての姿と日本人ダンサーの活躍に、大いに期待が寄せられています。
名作『シンデレラ』の舞台背景
1948年に初演されたバレエ『シンデレラ』は、英国ロイヤル・バレエの創立に寄与したフレデリック・アシュトンによって振り付けられた、20世紀を代表する古典作品として知られています。世界のバレエ団で広く上演され続けており、舞台芸術の枠を超えて多くの観客を惹きつけています。また、映画館では、実際の舞台を間近で見るかのような迫力ある映像と音響で楽しめるのも魅力の一つです。
金子扶生の演技に注目
舞踊評論家の森菜穂美氏は、金子扶生のシンデレラ役について「華やかさと繊細さだけでなく、聡明さをも表現し、さまざまな感情を巧みに演じ分けている」と絶賛しています。その演技力は、観客の心を掴み、物語にリアリティを与えています。シンデレラと王子役のウィリアム・ブレイスウェルとのクラシカルなパ・ド・ドゥも見逃せない一幕です。
個性豊かなキャラクターたち
物語にはシンデレラの義理の姉たちも登場します。森氏は、《義理の姉たちを演じる男ダンサーたちがユーモラスに暴れ回ることで、彼女たちを単なる悪者とはせず、家族の絆を描く様子に創意工夫が凝らされていると解説しています。このアプローチにより、アシュトンの振付はシンデレラ・ストーリーを凌駕する多様な表現を持つ作品となっています。
日本人ダンサーの輝き
『シンデレラ』には、日本人ダンサーも数多く参加しています。若手の五十嵐大地は道化役として舞台に登場し、その跳躍力で観客を魅了します。また、夏の精を演じる佐々木万璃子も印象的な表現力を持ち、場面を華やかに彩ります。彼らの演技は、国際的な舞台での日本のダンサーの存在感を示すものです。
映画館で楽しむ『シンデレラ』
この映画版『シンデレラ』では、プロコフィエフの美しい音楽を背景に、一連のファンタジックな変身シーンや華麗な舞踏会の光景が展開します。衣装や舞台装置も豪華で、観る者を夢の世界へと導いてくれます。
ストーリーには、母を亡くしたシンデレラが義理の姉たちにいじめられながらも、心優しい性格を保ち続け、魔法の助けを借りて舞踏会で王子と出会い、真実の愛をつかむ姿が描かれています。最後のクライマックスでは、シンデレラが自らの運命を自覚し、王子の手を取る瞬間が感動的です。
2月21日から始まるこの上映期間中、心に残る名作をぜひ映画館で体感してください。恋と魔法に満ちた『シンデレラ』の魅力を余すところなくご堪能いただけることでしょう。映画館でバレエの魔法に浸り、特別なひとときを過ごしましょう。