小泉淳作展の概要
2025年7月30日から8月18日まで、日本橋高島屋S.C. 本館8階ホールにて「生誕100年記念 小泉淳作展」が開催されます。本展では、日本画家としての独自の道を切り開いた小泉淳作の画業を、初期から晩年までの47点の作品を通じて振り返ります。特に、2010年に完成した奈良の東大寺本坊の襖絵は、現地では滅多に見ることのできない貴重な作品です。
小泉淳作は、1924年に政治家の家庭に生まれ、87歳まで創作に捧げた生涯を送りました。1943年に東京美術学校の日本画科に入学し、その後、山本丘人に師事して本格的に日本画の道に進みました。西洋の画風や技術を取り入れた作品も多く、日本画の魅力を引き出す探求を続けました。彼の作品には、古典に対する深い理解と、自然の美しさを捉えた表現が詰まっています。
展示内容
1. 初期の作品
小泉画伯は1948年に東京美術学校に復学し、再び師である山本丘人の指導を受けました。在野の日本画団体での成功が、彼の名声を高め、その後の創作活動に繋がりました。彼の初期作品の多くは、ルオーやビュッフェなどの西洋近代絵画から強い影響を受けており、彼自身の「無頼の精神」を如実に表現しています。
2. 水墨山水画
1980年代に入ると、小泉画伯は水墨画の技法を駆使して、主に自然の風景を描く作品に挑戦しました。特に、磐梯山や白山など東北の名山を何度も訪れて実際に観察し、霊性を感じ取った景色を堂々と描き出す姿勢は、彼の作品にさらなる深みを与えました。
3. 花卉画
50歳を過ぎた頃に出会った中国の古典絵画は、彼の花卉画に大きな影響を与えました。周囲の空気感や、花や蔬菜の存在感を大切にした作品は、観る者の心を捉えて離しません。その奥深い表現力は、自然の美しさや存在の神秘を映し出しています。
4. 東大寺本坊襖絵
本展の目玉ともいえるのが、2010年に完成した東大寺本坊の襖絵です。聖武天皇1250年遠忌記念事業の一環として制作され、今展ではその中から特に注目すべき28面を展示します。『蓮池』や『しだれ桜』など、鮮やかな作品が観覧できます。
開催概要
- - 会期: 2025年7月30日(水)~8月18日(月)、会期中無休
- - 開場時間: 午前10時30分~午後7時(最終日は午後5時30分まで)
- - 会場: 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
- - 入場料: 一般 1,200円(前売り1,000円)、大学・高校生 1,000円(前売り800円)、中学生以下は無料
- - 主催: 日本経済新聞社
この展覧会は、小泉淳作の画業に魅了された人々にとって、必見のイベントです。ぜひご来場ください。