青果流通の未来を切り開く!シノプスの自動発注システム
近年、食品流通業界においては、鮮度や品質を保つことが求められる中、効率的な物流システムの構築が急務です。特に青果物は、その特性上、食品ロスが発生しやすい繊細な商品です。そんな中、株式会社シノプスが展開する自動発注システム「sinops」(シノプス)が、青果流通業界に新たな変革をもたらそうとしています。
1. シノプスの取り組みの背景
青果物は鮮度が命。しかし、スーパーマーケットやドラッグストアでは人手不足によって熟練の担当者が減少し、その結果、効率的な物流が実現できていません。この問題は「物流の2024年問題」とも関連しており、ドライバー不足が予想される中で、さらなる業務圧迫が懸念されています。
また、青果物は季節や天候に左右されるため、需要予測が難しく、多くの小売業者が従来のデータに基づいた発注を行うことで逆に食品ロスを引き起こしてしまうという矛盾も。ここに、シノプスの自動発注システムが介入します。
2. 実証実験の概要
西日本でのドラッグストアチェーンと協力し、シノプスは青果物の需要予測と自動発注システム「sinops-R」を導入。実証実験は2つのシナリオで実施されました。まず第一に、青果物特有の相場変動を含めた需要予測ロジックをシステムに組み込み、玉ねぎやじゃがいもなどの15商品に対し、実際に発注業務の効率化を試みました。これにより、発注作業が50%削減でき、さらに食品ロスも25%軽減する成果が報告されています。
次に、物流改善に向けたシナリオも検証し、納品リードタイムの延長や事前の総発注数提示について実施。特に、納品のタイミングを見直すことでトラックの積載効率が向上し、実際にトラック台数を47%も減少させたという結果も出ています。
3. 今後の展望
実証実験を通じて得られた知見を元に、シノプスは今後も臨時配送トラックの削減や流通時間の短縮を目指す方針です。具体的には、今後3年間で仲卸や小売段階での食品ロスを30%削減する目標を掲げ、より持続可能な物流システムの実現に向けた努力を続けます。
4. シノプスの社会的意義
シノプスは「世界中の無駄を10%削減する」というビジョンのもと、需要予測型自動発注サービスを提供しています。このシステムの導入により、無駄の削減だけでなく、食品廃棄物の減少や業務の効率化を図ることで、環境にも配慮した持続可能な社会貢献を目指しています。
今後、青果物に特化した需要予測は多くの小売業者に受け入れられ、業界全体のスムーズで効率的な流通を実現するカギとなることでしょう。