銭湯を支える新しい取り組み「湯守番頭会」の設立
持続可能な銭湯経営を支援するため、新たに設立された組織「湯守番頭会(ゆもりばんとうかい)」に注目が集まっています。この取り組みは文化財まちづくり事業に取り組む株式会社narrative、化粧品製造を行う株式会社フェニックス、そして銭湯事業のコンサルタントであるゆないと株式会社が協力して、銭湯業界の持続可能な発展を目指しています。
銭湯が抱える課題とは
銭湯は単なる入浴施設だけでなく、地域文化や人々の記憶が息づくコミュニティの要です。しかし、後継者不足や経済的な課題に直面しており、多くの施設が廃業の危機に瀕しています。1970年代には16,000を超えた銭湯が2023年には約2,800か所に減少しています。
また、若者が銭湯業界に興味を持つ一方で、低い給与やキャリアパスの不透明さから、業界を離れるケースも少なくありません。こうした背景を受け、湯守番頭会は「銭湯をシフトする」をミッションに掲げ、銭湯の持続可能性を強化する取り組みを開始します。
湯守番頭会の活動内容
湯守番頭会では、次の四つの主要な取り組みを進めます。
1.
銭湯人材の雇用支援
- 「銭湯で働く」ことを生活の一部としたキャリアパスを提供し、現場での育成プログラムを通じて人材を育てます。
2.
経営支援
- 効率的な運営を実現するための経営状態の評価や改善策の提案を行い、適切な人材を供給します。銭湯事業を譲受や継業支援も行います。
3.
銭湯ファンドの設立
- 新規開業を支援するための資金調達をサポートし、廃業予定の銭湯の買取や再生を促進します。
4.
オンラインキックオフミーティング
- 2025年7月23日(水)18時より、全国の銭湯関係者や銭湯ファンが参加できるオンラインミーティングを開催します。参加は無料で、YouTubeでの生配信を予定しています।
参加メンバーの紹介
株式会社narrative
文化財を守ることをミッションに持つ株式会社narrativeは、奈良県御所市で廃銭湯「御所宝湯」の復活に成功し、今後も複数の銭湯再生事業に関与しています。
株式会社フェニックス
75年の歴史を持つ化粧品製造のフェニックスは、温浴施設向けの製品を通じて銭湯業界を支えています。特に「旅ふろカード」など独自の企画で全国の銭湯復活に貢献しています。
ゆないと株式会社
「湯と共に暮す」を理念に掲げ、廃業が相次ぐ銭湯の人材育成や運営支援を行うゆないと株式会社。銭湯業界での職業形成を目指し、人材と浴場主を繋ぐ役割を果たしています。
まとめ
「湯守番頭会」は銭湯業界の未来を切り拓く新しい試みです。全国の銭湯関係者やファン、将来のキャリアに不安を抱える若者など、皆さんの参加をお待ちしています。詳細や参加方法は、YouTubeチャンネルを通じて確認できます。あなたも銭湯文化を共に支えませんか?