彦根市が生成AIで自治体の業務改革を推進
滋賀県の彦根市が、アンドドット株式会社と連携し、生成AIを使った業務の高度化に向けた取り組みを加速しています。2026年4月10日、両者は「AI活用による地方自治体業務の高度化に関する連携協定式」を開催しました。この協定式では、2025年8月に締結した連携協定後の成果報告と、2026年度に向けた具体的な推進ロードマップが発表されました。
AXプロデュース事業の概要
アンドドットのAXプロデュース事業は、AI技術を用いた業務改革(AI Transformation)の実現を目指し、企業のビジネスモデルのAI前提での再構築をサポートします。これはAIツールの導入にとどまらず、経営課題へのヒアリングを通じて最適なAI技術を選定し、実装や組織文化への定着までの支援を行います。
全国の自治体における生成AIの活用
目前の調査によると、市区町村の約30%が生成AIを議事録作成などの業務に導入しており、導入予定や検討中を含めるとおおよそ半数に達しています。また、都道府県や政令指定都市ではそれぞれ83%と85%がすでに活用を進めています。このように生成AIの利用は全国的なトレンドとなっていますが、多くの地方自治体は「導入されたものの実際の活用が不十分」や「職員のAIスキルのばらつき」といった課題にも直面しています。
彦根市の取り組みと成果
彦根市は2025年8月にアンドドットとの連携協定を結び、この課題に積極的に取り組んできました。その結果、彦根市の約300名の職員が日常的に生成AIを活用するようになりました。主な成果としては、議会答弁の作成や庁内情報の迅速な共有が挙げられ、高精度な答弁案作成が可能になっています。また、アンドドットが提供するAIスキルピラミッドに基づく研修プログラムにより、職員のAIリテラシーも向上しました。これらの取り組みは、アンドドットが全国300以上の自治体で培った知見を活かしたものです。
2026年度の展望
協定式では2026年度の展望として、彦根市とアンドドットが以下の4つの柱でさらなる連携を深めることが発表されました。
1.
心理的・物理的な距離の解消:職員がAIを日常的な業務の支援ツールとして受け入れられる環境を整える。
2.
職員の人材育成:次世代のDX推進リーダーを育成し、職員の役割に見合った教育的な支援を行う。
3.
全国のモデルケースとしての発信:成功事例を他の自治体や総務省に向けて発信し、全国的な働き方改革に貢献する。
4.
「寄り添う役所」の実現:全世代の市民が親しみを持てる行政サービスを提供する。
代表者のコメント
アンドドットの茨木代表は、「彦根市の職員の皆さんが業務改善に真摯に向き合い、AIをツールとして主体的に活用してくださった結果にほかなりません」と述べ、成果を拡大させる意欲を示しました。また、彦根市の田島市長は、職員の間にあった「使いこなせるだろうか」という不安が研修を通じて克服され、現在では職員300名がAIを日常的に活用していることを強調しました。
アンドドットは今後も彦根市のDX推進を支援し、全国の自治体へのモデルケースを提供することを目指します。地方自治体における生成AIの活用は進化し続けており、彦根市の取り組みはその先駆けとなるでしょう。