帯状疱疹ワクチン接種状況調査から見える地域の健康格差とは
エムスリー総合研究所が実施した「帯状疱疹ワクチンの接種状況」に関する調査結果が公表され、注目を集めています。帯状疱疹は、日本人の大多数に潜む水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる疾患で、特に80歳までに約3人に1人が発症します。初期症状として皮膚に痛みやかゆみが現れることが多く、免疫が低下していると全身に広がる可能性もあるため、注意が必要です。
帯状疱疹の危険性とワクチンの重要性
重症化すると、長期間にわたり激しい痛みが続くことがあり、特に顔や鼻周りの症状が出ると視力に影響を及ぼす合併症も引き起こす可能性があります。そこで、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されており、特に60歳以上の方々への定期接種が行われることとなりました。2025年4月には、これまでの接種対象者に加え、幅広い年齢層が対象となる予定です。
接種には生ワクチンと組み替えワクチンの2種類があり、事前にどのワクチンを接種するかを選択する必要があります。国が推奨するこの取り組みは、年齢別に接種を促進し、帯状疱疹の発症リスクを減少させる狙いがあります。
接種率の現状と地域格差
調査結果によれば、帯状疱疹ワクチンの全国接種率は、定期接種化から約半年が経過した2023年9月末時点で15.2%に留まり、2024年度の月平均接種者数は2025年度からの見込みとは対照的に少数にとどまっています。2025年度には役182,186人の接種が見込まれ、前年の20倍に達するとの予測がありますが、ここで懸念されるのが自治体間の接種率の格差です。
長野県の接種率は25.4%に対し、愛媛県はわずか10.1%と、最大で2.5倍の差が存在しています。このような接種率の地域格差の背景には、助成金額や接種に対する勧奨体制が影響していると見られています。
助成制度のばらつきが影響か
帯状疱疹ワクチンの接種にかかる費用は、自治体によって異なり、助成の内容が接種率に直結しています。例えば、2回接種が必要な組み替えワクチンの場合、助成額は最大19,990円から最小0円まで多岐にわたることが確認されています。このため、接種のしやすさに地域ごとの差が生まれるのです。さらに助成額が同程度であっても接種率には差があることが分かり、上位10%の自治体と全国平均との間で9.6ポイントも違いがあるというデータもあります。
地域格差問題の解決策
この結果から、ワクチン接種の啓発活動や情報提供の強化が必要であるという結論に至ります。すべての定期接種対象者への正確な情報提供はもちろん、積極的な接種を促すための地方自治体の取り組みも欠かせません。専門家の意見でも、帯状疱疹ワクチンは長期的な神経痛を予防する可能性があるため、正しい理解に基づいた接種が極めて重要だとされています。
愛知医科大学の渡辺大輔医師も、帯状疱疹ワクチンの接種を通じて、発症リスクを軽減し、合併症に悩まされることを避けるための選択が重要であると述べています。64歳以下でもワクチンを検討することが推奨されている現在、かかりつけ医と相談し、自分の健康状態に応じた接種計画を立てることが肝要です。そんな中、地方自治体がこの問題にどう取り組んでいくのか注目されます。
重要な予防策として知識を深め、健康な生活を送るために帯状疱疹ワクチンの接種を検討することが、今後の健康維持に繋がると言えるでしょう。