米価格高騰の影響が生活スタイルに与える変化を探る
公益財団法人流通経済研究所が行った調査によると、米の価格が高騰している影響で、私たちの食生活や買い物行動が大きく変わってきていることが明らかになりました。今回は、その具体的な実態やショッパーの意識について探ってみましょう。
調査の概要について
この調査は「ショッパーマインド定点調査」として、定期的に実施されています。今回の調査は2025年4月25日から29日までの期間に行われ、20代から70代の男女、合計2400人を対象に、食生活や購買行動の変化を把握するためのものです。
ショッパー暮らし向きD.I.の低下
調査結果によると、「ショッパー暮らし向きD.I.」は、2025年4月には-35.2という大きな値に低下。これは、暮らし向きが以前に比べて悪化したと感じる人が増えたことを示しています。賃金の上昇が物価上昇に追いつかず、また経済の不透明感も影響を与えているようです。特に米を含む食料品の値上げが消費者心理に影響を及ぼしていると言えるでしょう。
食生活の変化
米の高騰によって、食生活にも変化が見られます。調査によると、67.8%の人が何らかの形で食生活に変化があったと回答。具体的には、自宅で食べる機会が増えており、特に「うどん・そば」が22.2%、次いで「パン」が21.2%、そして「パスタ」が17.4%との結果が出ています。これは、外食を控える傾向が強まっていることを示しており、よりコストを意識した食事選びが行われていると考えられます。
買い物行動の変化
米の値上がりに伴い、買い物行動にも影響が及んでいます。消費者は、価格に敏感に反応し、安価な商品や他の穀物など代替品を選ぶなど、様々な工夫をしているようです。特に、価格を重視した選択が健康や栄養にどのような影響を与えるかも注目すべき点です。
経済動向の影響
米国の関税政策など、外的要因も消費者のマインドに影響を与えていることが考えられます。経済の先行きが不透明である中、慎重な消費行動が定着しているのは自然な流れでしょう。加えて、消費者に対する刺激策の必要性が強調されていることも事実です。
今後の展望
「ISM・ショッパー研究プロジェクト」は、このような消費者の行動や意識の変化を踏まえ、販促や売場の戦略を変えるためのデータを提供しています。これからの時代、消費者のニーズに柔軟に対応していくことが、販売業者に求められる大きな課題となるでしょう。
食生活の変化を促している米の高騰に対して、どのような対策や新しい提案がなされるのか、今後の動向が気になるところです。