岩井化学薬品がバイオインフォマティクス事業を強化
東京都中央区に本社を置く岩井化学薬品株式会社は、2025年4月1日から本格的にバイオインフォマティクス事業を推進するため、組織体制を整えました。この新しい取り組みにより、同社は研究者の解析ニーズに応えるために必要な専門技術を備えた人材を充実させる方向へ舵を切ります。
バイオインフォマティクス事業参入の背景
データ解析市場の成長
近年、生物学的データを生成する装置、特に次世代シーケンシング(NGS)技術の進化によって、膨大な量のデータ生成が可能になりました。これにより、政府や非政府組織からの研究投資が活発化し、バイオインフォマティクスを用いた解析の需要が急増しています。このような背景から、岩井化学薬品は理念である「研究者と共に未来を創造する」を実現するため、バイオインフォマティクス事業に参入したのです。
ユーザーニーズの多様化
また、NGSデータの形式がある程度統一されつつあるとはいえ、研究者は独自の視点から解析を求める状況が多々あります。特にマルチオミクス解析など、複数のデータソースを統合した解析には専門的な知識を持った人材が不可欠です。
人材不足の解決に向けて
これに伴い、バイオインフォマティクスの専門人材の需要が見込まれる一方で、その育成は遅れており、解析者不足が課題となっています。岩井化学薬品は、この状況を打破するために新たなサービスを提供することを決定しました。
新たなサービスの提供
岩井化学薬品は、以下の3つのサービスを通じて研究者のバイオインフォマティクス解析を支援します。
1.
人材派遣サービス: 大規模な解析を行いたい研究者に対し、必要な解析人材を派遣するサービスです。
2.
解析受託サービス: 自分で解析を行うリソースが不足している研究者に向け、データを預かり解析結果を提供します。
3.
クラウド型解析プラットフォーム: 簡単に自社で解析を行いたい研究者向けに、解析プラットフォーム「basepair」を提供します。
このように、岩井化学薬品は広範なネットワークを活かし、研究者が求める解析の支援を行っていきます。
テクニカルマネージャーの斎藤輪太郎氏
新たなバイオインフォマティクス事業を推進するために、岩井化学薬品は慶應義塾大学先端生命科学研究所の元特任教授、斎藤輪太郎氏をテクニカルマネージャーに迎え入れました。20年以上の研究経験を持つ斎藤氏は、ゲノミクスからメタボロミクスまで多岐にわたる研究分野での知見を生かし、様々な研究者を支援する姿勢を見せています。
企業としてのコミットメント
岩井化学薬品は1947年の創業以来、「誠実」を基盤とし、ライフサイエンス関連の研究活動をサポートしてきました。新たにバイオインフォマティクス事業を強化することで、未来の研究をともに描く企業として、より一層の努力を続けます。
お問い合わせ
これまでの事業を通じて培った信頼と技術をもとに、岩井化学薬品は研究者の様々なニーズに応え、バイオインフォマティクス解析への第一歩を共に踏み出すパートナーとなることを目指します。