わさびの香りを楽しむ料理研究会が開催!驚きのペアリングも発見
2025年6月5日、東京都で「第五回 わさび懇話会」が開催されました。このイベントは、株式会社万城シーズニングパートナーズ(BSP)が主催し、わさびの香りの価値や料理との組み合わせについての新しい知見を得るための重要な機会となりました。様々なジャンルから集まった有名シェフたちが参加し、わさびの新たな利用法や、業界全体が直面している「わさび離れ」という問題についても議論が行われました。
わさびの魅力を再発見
近年、わさびが消費者の関心を失いつつある中、今回の懇話会では、わさびの「香り」に注目が集まりました。岐阜大学の山根京子准教授は、「香り」を重視することで、わさびのおいしさが引き立つと語ります。実際、BSPが行った調査では、消費者の46.3%が「手頃な価格」を重視している一方で、わさびの品質について真剣に考える人は少ないことが示されました。
イベントでは、エスニック料理、和食、イタリアンなど各分野のシェフが、わさびの香りを引き立てる方法や、意外な食材との組み合わせについて具体的なアイデアを共有しました。
料理ジャンル別、香りの引き立て方
エスニック料理
CHOMPOOの森枝幹シェフは、タイ料理特有の香りの組み合わせを紹介。
「ニンニク、白コショウ、パクチー。この3つはタイ料理の香りの黄金比とも言えます。特定の調味料を強調して料理を際立たせる技法が重要です」
和食
和食を代表する馳走こんどうの近藤明弘シェフは、わさびの香りを最大限に引き出すためには「おろしたて」がお勧めだと言います。「わさびはおろしたてが一番香ります。特に海外の方にはその瞬間が魅力的に映るようです」
イタリアン
La Brianzaの奥野義幸シェフは、わさびの甘さを引き出すためのやわらかい調理法を提案。彼はわさびをハーブやスパイスと同様に扱うことで、その良さを活かせる可能性を指摘しました。
料理へのペアリングアイデア
懇話会の参加者たちは、わさびを使った新しい料理のアイデアを持ち寄りました。特に注目を集めたのは、マッシュルームとわさびの組み合わせ。
MUSHROOM TOKYOの桜井順一シェフは、塩麹でマリネしたマッシュルームとわさびの組み合わせにより、相乗効果が生まれることを強調しました。
わさびの新たな未来
懇話会の最後には、わさび業界が直面している課題として、若年層のわさび離れや生産者の後継者不足、地球温暖化などが挙げられました。BSPはこのような課題に真摯に向き合い、わさびの普及と市場の活性化に努めることを宣言しました。
結論
今回の懇話会は、わさびの魅力を多くの人に伝えるための新たな取り組みの一環でした。この情報が家庭の食卓に新しい香りをもたらし、わさびの人気再生につながることが期待されています。わさびは、私たちの食文化においてなくてはならない存在です。今後もその魅力を引き出す活動が続くことがとても楽しみです。