SLE予測モデルの革新
2025-07-24 11:12:23

テックドクターが発表したSLE予測モデルの革新とその意義

テックドクターが発表したSLE予測モデルの革新とその意義



2025年にスペインのバルセロナで開催された欧州リウマチ学会で、株式会社テックドクターが全身性エリテマトーデス(SLE)における疾患活動性を予測する新たな研究成果を発表しました。この発表は、高度な医療研究が必要とされるSLEの患者にとって、希望の光となるものであり、注目されています。

研究の背景と目的


SLEは自己免疫疾患で、多様な臓器に慢性的な炎症を引き起こします。最近の治療法の進展により、急性期のケアは改善されているものの、再発リスクや維持療法の確立に関する課題は依然として残っています。特に、医師の診察で把握できる情報には限界があり、疾患活動性全体を正確に理解することは難しいのが現実です。

この研究は、患者報告アウトカムやウェアラブルデバイスから得られる生体データを活用して、SLE患者の疾患活動の状態をより正確に予測できるモデルを構築することを目的としていました。特に、手首装着型ウェアラブルデバイスで取得したデータを加えることで、予測の精度がどれだけ向上するかが注目されました。

研究の手法


研究は、東京科学大学が主体となり、テックドクターが支援する形で実施されました。評価対象は、15歳以上のSLE患者274名で、うち112名がGoogleのFitbit Inspire3を装着していました。評価には、治療歴や検査データ、さらには自覚症状 (VASやLupusPRO質問票) の報告が含まれました。

特に、生体データは心拍、睡眠、歩数といった情報を連続的に取得し、さらに4つの機械学習手法(Random Forest、CatBoost、XGBoost、LightGBM)を用いてモデルを構築しました。診察日を中心に前後7日間のデータを分析し、診療情報や患者の報告と統合することで、疾患活動性を予測するモデルを作り上げました。

研究成果


研究の結果、Fitbitを装着した群と装着しなかった群の間に、性別や年齢、LLDASの達成率において有意な差は見られず、両群とも等しい集団であると判断できました。機械学習によるモデルでは、臨床指標と治療詳細に加えてFitbitのデータを取り入れた場合、予測の精度が向上しました。この結果は、疾患活動状態の予測において健康関連データが重要であることを示しています。

社会的意義と今後の展望


今回の研究成果は、SLEという難病患者の治療において、日常データを活用した新たなアプローチの可能性を示唆するものです。今後、東京科学大学とテックドクターは、これを基に自己免疫疾患などさまざまな病気において、個別最適な医療と患者中心のケアを実現するための努力を続けていくとしています。特に、デジタルバイオマーカーの開発や遠隔モニタリング技術の実装が期待されています。

このような取り組みが進むことで、SLE患者の健康管理がより強化され、治療の質が向上することでしょう。

参考情報


  • - 学会名: EULAR 2025
  • - 会期: 2025年6月11日(水)~14日(土)
  • - 開催地: スペイン・バルセロナ

テックドクターの取り組みは、今後の医療の進展を大いに促進するものです。このような革新的な研究が、患者を支える実践的な治療の標準化へとつながることを期待しています。


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