R-Labor開発ストーリー 第2回
本記事では、R-Laborの背後にある想いを解説するシリーズの第2回目をお届けします。前回は「予算が読めない」という現場の苦悩を取り上げましたが、今回はさらに深い課題に焦点を当てます。それは、小売・サービス業界に存在する構造的な壁と、その背後に潜んでいる「見えないコスト」の正体です。
業界特有の「情報のタイムラグ」
前回の記事では、現場が抱える「情報のタイムラグ」の悩みを紹介しました。特に、月末の決算を待たなければならない状況は、多くの企業が直面している大きな問題です。この問題の根本には、業界の特性から生じる「二重の壁」が存在します。
1つ目の壁:流動性
小売・サービス業は、オフィスワークとは異なる流動的な特性を持っています。長時間営業を多人数で支えるため、頻繁なシフト変更が行われ、客数は天候やイベントに影響されるため、大きく変動します。また、雇用形態や時給は多様であり、現場の状況を把握するのは容易ではありません。この流動性が、情報収集を困難にしています。
2つ目の壁:情報の分断
もう一つの障害は、シフト管理、勤怠管理、給与計算がそれぞれ分断されていることです。多くの企業では、情報の一部が手作業やExcelに依存していて、データを統合するまでのプロセスが非常に煩雑です。このため、本当の時給単価は給与システムに隠れ、現場の人間がリアルタイムでデータを把握することができません。
時間がかかる手作業集計の弊害
手作業でのデータ集計は、転記ミスのリスクを伴い、リアルタイムさが失われてしまいます。分断されたツールで動き続ける現場は、数字が見えるまでは時間ばかりがかかる状況です。
「変えられないもの」と「変えるべきもの」
このような情報の壁を前にして、私たち開発チームはある決断を下しました。「業界特性を変えるのは不可能だ」と認識したのです。小売・サービス業は、来店に合わせた営業やスタッフ配置が求められるため、システム会社がビジネスモデルを変えられるわけではありません。しかし、業界特性にただ逆らうだけでは、問題の解決にはつながりません。
解決策はシステム化にあり
私たちはこう考えました。「業界特性を変えることはできないなら、システムでそれをカバーしよう。」複雑な計算やデータ連携をシステムに任せることで、スタッフが集計作業から解放され、業界特有の流動性を持ちながらもリアルタイムに情報を可視化できるようになります。
R-Laborが目指す「見える化」
R-Laborは、「複雑さはシステムに任せる」という理念のもとに設計されました。具体的には、
- - シフト、勤怠、給与データを自動で突合する
- - 翌朝に確定集計を表示
- - 過去の実績を基に予測を行う
このようにして、タイムラグを解消し、見えないコストを削減することを実現しようとしています。
次回予告
今後の記事では、R-Laborがどう「把握しやすい」システムに仕上がっているか、さらに追及していきます。どんなに理論的に正しくても、現場が利用できなければ意味がありません。次回をお楽しみに!