2025年9月1日から、元統合幕僚長である岩崎茂氏が株式会社Japan Aerospace & Defense Consulting(JADC)の顧問に就任することが発表されました。JADCは株式会社SHIFTのグループ企業で、防衛に特化したコンサルティング会社として様々なサービスを提供しています。この新たな組織に加わることで、岩崎氏は日本の防衛力の向上に寄与することが期待されています。
岩崎茂氏の経歴
岩崎氏は資深の防衛専門家であり、防衛大学校を卒業後、航空自衛隊に入隊しました。長年にわたって数々の要職を歴任し、2009年には航空総隊司令官に、2012年には統合幕僚長に就任しました。これにより、彼は日本の防衛政策に大きな影響を与えてきました。退官後も、防衛大臣政策参与などの役割を果たし、それに伴い隊友会理事長や日本安全保障危機管理学会の会長等を歴任し、現在も安定した地位にあります。
コメントから読み解く意気込み
岩崎氏は新たな役割について非常に光栄に思っているとコメントしており、JADCが掲げるスローガン『衛(まも)るを、守る。』に感銘を受けたと話しています。彼が指摘したように、日本には防衛分野に特化したコンサルティング企業がこれまで存在しなかったことは重要な観察ポイントです。現在、安全保障政策が大きな転換を迎える中、このような新たなビジネスの立ち上げは極めて意義深いものです。
JADCの設立背景と成り立ち
JADCはSHIFTグループの一部として、2025年4月に設立されました。SHIFTは2022年から防衛関連の案件に取り組むことを決定し、その結果として新たなコンサルティング企業が立ち上がる運びとなりました。これに伴い、多様な専門知識を持つ人材の採用も進めており、その効果はすでに現れ始めています。
岩崎氏の加入がもたらす期待
新顧問の加入により、JADCは防衛装備品の運用における実情を深く理解したサービスの開発を加速させます。岩崎氏の豊富な知識や経験は、企業が抱える様々な課題解決に向けた支援を行ううえで、不可欠な要素となります。さらに官民のネットワークを活かすことで、より効果的なサービスの提供が可能になると期待されています。
具体的な取り組みとサービス
JADCが提供するサービスは多岐にわたります。国家安全保障に関する調査研究や、技術的な支援、さらにプロジェクト管理のノウハウを活かした工程管理などの多様な支援が行われています。また、米国の防衛省で導入されているリスク管理フレームワーク(RMF)に基づいたコンサルティングサービスも提供しており、産業界における防衛関連技術への理解を深める取り組みも行っています。
JADCは防衛分野における官民連携の促進にも力を注いでおり、これからの日本の安全保障において大きな役割を果たしていくことが期待されています。