2025年の東京基準地価、都心エリアを越えた高騰とその影響

2025年の東京基準地価の動向

2025年の東京の基準地価に関する速報が発表され、都心部の地価高騰の波が城北・城東エリアにも広がっています。投資用不動産を取り扱う株式会社グローバル・リンク・マネジメント（通称GLM）によると、2025年9月に新たに公表された全国基準地価格に基づき、東京都内の地価動向が見えてきました。特に商業地や住宅地の上昇が目立っており、東京圏におけるその影響は周囲の地域にも広がっています。

全国の基準地価の動向

国土交通省の調査によれば、2025年7月1日現在の全国基準地価は、前年比で1.5%の上昇を見せ、これはバブル崩壊以降最大の上昇幅となりました。東京圏と大阪圏では、商業地・住宅地での値上がりが続いており、特に商業地では前年比2.8%の伸びを記録しました。これにより、商業テナントやホテルの需要が堅調なことが影響しています。

一方、住宅地においても、全国平均で1.0%の上昇が見込まれ、特に東京圏中心部が高い伸びを見せています。特にこの地域では、インバウンド観光客の増加が宿泊施設の需要を高め、地価を押し上げる要因になっています。

東京都内の地価動向

東京都区部の基準地価は、2025年には商業地で13.2%、住宅地で8.3%と高い上昇を示しました。特に都心の5区（千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区）では、商業地でこの5区全体の上昇率が14.8%に達し、住宅地も12.9%の上昇を見せています。一見非常に堅調な動きですが、後半に向けてその上昇スピードには少しピークアウトの兆しも見えてきました。

23区別の基準地価動向

東京23区すべての区で基準地価が上昇するとともに、上昇率が10%を超えた区が18区に達するなど、都心の地価上昇が著しいことが伺えます。特に台東区が18.2%の上昇を記録し、観光需要の回復が大きな要因となっていることが挙げられます。他にも、中央区や千代田区の上昇率も15%を超えるなど、商業地の需要が非常に高いことが証明されています。

住宅地の全体動向

住宅地に目を向けると、都心によく隣接した目黒区や品川区などでの需要が高く、ここでも上昇が続いています。特に新築マンションの需要が高く、これが周囲の地域にも好影響を及ぼしていることは間違いありません。ただし、外縁部の地域では、上昇幅がかなり小さくなりつつあり、都心部との間に二極化が進んでいることも認識しておく必要があります。

結論として

都市再開発の進展や観光需要の回復が相まって、東京圏では引き続き地価の上昇が続く見通しです。ただし、上昇スピードは疫病後の回復から一部のエリアでは落ち着きつつあることも確かです。今後の動向については注目が必要であり、都市政策や不動産市場の変化を見極めることで、より質の高い情報を得ることができるでしょう。