岡山大学が進める異文化交流によるイノベーション創出の新たな試み
国立大学法人岡山大学(岡山市北区、学長:那須保友)は、2025年6月30日から7月25日の間、欧州連合のHorizon Europe(HESPRI)との国際連携を基に、異文化環境でのイノベーション創出をテーマとした共創活動を展開しました。
この活動には、モルドバ共和国のAmerican University of MoldovaからのVictoria Trofimov副学長(国際担当)やFrumusachi Ludmila博士、フランスのUniversity of StrasbourgからのLéa Daccache氏が参加。岡山大学からは公益学の宮崎悟准教授がホスト役となり、異文化交流を通じた新たな価値観の創造を目指しました。
活動の内容と経過
7月17日には、津島キャンパスの共創イノベーションラボ(KIBINOVE)で、モルドバの研究員が自国の文化や経済について紹介し、日本との比較を行いました。学生たちは、特に農業や観光、就職活動、地域の活性化、高等教育といったテーマでディスカッションを行い、イノベーションの視点から多様な意見を交わしました。これにより、異文化理解を深めるだけでなく、学生たちの批判的思考を促進しました。
7月24日には、中央図書館にて、宮崎ゼミの学生がモルドバ共和国の研究者に向けて、日本や岡山の文化について英語でプレゼンテーションを行いました。「クール・ジャパン」というテーマに関連し、若い世代から見た日本の魅力についてパネル討論を展開しました。これにより、既存の知識とのギャップを超え、新たなアイデアや視点を短期間で得る貴重な経験が生まれました。
さらに、図書館附属の「池田家文庫」を見学するツアーでは、江戸時代から続く貴重な歴史的資料の保存方法やデジタル化の取り組みについての解説を受け、伝統文化と現代技術の融合に関しても議論が行われました。これにより、異文化の理解が深まるだけでなく、新たな文化の創造に向けての気づきが促されました。
心理的安全性とイノベーション
今回の活動を通じて、参加者たちは違いを受け入れ合いながら意見交換を行い、心理的安全性の高い環境が確保されました。このような環境が、イノベーティブな思考と行動を生み出し、既存の枠組みを越えた新たなアイデアを創出する原動力となりました。岡山大学は今後もHESPRIとの連携を通じて、教職員や学生一人一人が発信者となるような異文化交流の活動を続けていくことを約束しています。
終わりに
これからも地域を代表する研究大学としての使命を果たしながら、国際的な視野を持った共創を進めていく岡山大学の取り組みに、今後もご期待ください。また、岡山大学はSDGs(持続可能な開発目標)を支援する活動にも力を入れており、地域と地球の未来に向けた取り組みも強化しています。全ての活動が新たな発見と創造の連鎖を生む結果となることを目指しています。