グロービスとエデルマンの共同セミナー
2023年3月17日、グロービス経営大学院東京校にて、米国のPR&コミュニケーション企業エデルマンと共催による特別セミナーが開催されました。このセミナーは、エデルマンの信頼度調査「エデルマン・トラストバロメーター」の25周年を記念するもので、CEOリチャード・エデルマンが来日し、グロービス代表の堀義人氏と共に現代社会における信頼の重要性について議論しました。
信頼の危機とその影響
出席者たちは「The Crisis of Grievances(不満と憤りによる信頼危機)」というテーマに基づき、社会での信頼がどのように影響を与えるのかを深く考察しました。調査によると、企業、政府、富裕層への不満が高まり、政治の分断や社会的な不安が広がっていることが示されています。多くの参加者は、「現在の制度は不公平」や「企業や政府は状況を悪化させている」と感じていることがわかりました。これらの結果は、信頼の欠如が幅広い影響を及ぼしていることを示唆しています。
企業の役割と社会貢献
セミナーでは、企業が信頼を築くための取り組みや、社会貢献の重要性が強調されました。近年、企業への期待は大きくなり、単なる利益追求ではなく、ダイバーシティ、公平性、インクルージョン(DEI)や持続可能性などの社会的課題への取り組みが求められています。参加者たちは、そのような観点から信頼構築の実践的方法について議論し、具体的な事例を共有しました。信頼を得るために企業が取るべきアクションや戦略を学ぶ良い機会となったのです。
多様な業界からの参加者
この特別セミナーには、ビジネスリーダーやメディア関係者、政策立案者など、様々な業界から広範な参加者が集まりました。彼らの意見交換は非常に活発で、専攻分野を超えた多角的な視点からのディスカッションが促進され、参加者からは「企業経営に対する示唆が得られた」という感想が多く寄せられました。
リチャード・エデルマンの見解
セミナーの中で、リチャード・エデルマン氏は、現在の地政学的な混乱や経済変動の影響について言及し、日本における信頼のレベルが特に低いことを指摘しました。彼は、賃金の公正化やAIの時代に対応するためのリスキリング、市民間の対話の重要性を強調し、企業が信頼の獲得において主導的な役割を果たすべきであるという見解を示しました。
堀義人のコメント
さらに、グロービスの堀義人氏もこのセミナーの価値を評価し、信頼に関する企業の役割や、企業を通じて社会の発展に寄与する重要性について語りました。彼は、グロービスとエデルマンのコラボレーションを通じて、企業と社会の改善を推進したいという意欲を表明しました。
まとめ
この特別セミナーは、信頼の危機に対する理解を深め、企業やリーダーが果たすべき役割を再認識する貴重な場となりました。グロービスとエデルマンは、今後も信頼構築に向けた取り組みを進め、より良い未来を目指していきます。