熊野古道を守る新たな挑戦
和歌山県那智勝浦町において、歴史的建物の再生に向けた挑戦が始まりました。それは、株式会社Planet Labsによる無住職寺院の再生プロジェクト「那智ファンド」です。この取り組みは、地域に根ざした寺院を未来へとつなぐ夢の実現を目指しており、地域振興とも密接に関わっています。
琴線に触れる歴史的建築の保全
「那智ファンド」は、世界遺産である熊野古道に位置する寳光寺を中心に展開されます。この寺院は、長年にわたり地域の信仰を支えてきた歴史的な建物であり、今は宿泊や体験の拠点に生まれ変わる計画が進行中です。
特に、寳光寺は江戸時代に創建されて以来、風土や文化に根ざした存在として地域社会を支えてきました。しかし、近年は少子高齢化や人口の都市部への流出に伴い、寺院の維持が難しくなっており、そのための新たな支援が求められていました。
無住職寺院の現状
全国には約7万7,000の寺院が存在し、そのうち約30%となる2万軒が無住職、大規模に見積もれば地域の象徴でありコミュニティの中心として機能していたこれらの寺院が危機的な状況にあります。実際に、寳光寺も長い間活用されておらず、その存在意義が問われていた中でのプロジェクト発足です。
海外からの注目と宿泊需要
現在、寳光寺は宿泊施設としても注目を浴びており、大泰寺の稼働率が70%に達する中、その別棟としての機能が期待されています。実際に宿泊者の8割以上は海外からの旅行者であり、特に欧米から訪れる観光客が中心となっています。
このように、海外倫理と日本文化の接点を提供する中で、文化財を守りながら地域の経済的持続性を図るこの取り組みは、旅のスタイルとしても新しい形を模索しています。
Communityと連携した新しい運営モデル
PlanetDAOは、地域の住民との密接な連携を強化しつつ、出資者には利害関係を超えた資金調達と事業運営への参加機会を提供します。この新モデルにより、寺院の利用価値を確保しながら、共同体に根差した運営システムが形成されるのです。
地域の観光資源への期待
大泰寺の住職である西山十海氏は、日本文化に触れようとする海外の旅行者が増えていく今こそ、無住職寺院を再生し、観光資源としてのその価値を認識してもらう好機と語ります。
「無住職寺院は、海外からの観光客にとって貴重な学びの場です。この寳光寺プロジェクトがその象徴となり、地域に新たな活性化をもたらすことを期待しています。」
このように、PlanetDAOによる寳光寺再生プロジェクトは、単なる建物の復活にとどまらず、地域の文化的価値を再確認し新たな観光資源としての可能性を拓く大きな一歩です。
この取り組みを通じて、熊野古道にふさわしい持続可能な未来を地域と共に築いていくことが期待されています。プロジェクトに興味がある方は、ぜひ公式ウェブサイトで詳細を確認してみてください。