東京の企業が推進する男性育業の新たな取り組みと成功事例

東京都は、男性社員も育児をしやすい環境作りを目指し、育業（育児休業）を推進する企業の取り組みを紹介しています。この取り組みは、男女問わず育児と仕事の両立を促進するものであり、特に男性社員が育業を取得することを当たり前にするための施策です。これにより、多様な働き方が実現されることが期待されています。東京でのこの取り組みは、企業の育業実績を評価し、「TOKYOパパ育業促進企業」として登録する制度を設け、登録企業の好事例を広く発信しています。

TOKYOパパ育業促進企業について

「TOKYOパパ育業促進企業」とは、東京都が認定する育業推進に関する取り組みを行っている企業です。登録条件は、都内で事業を営み、過去の男性従業員の育業取得率が50%以上であることなどが求められます。また、登録企業にはゴールド、シルバー、ブロンズのマークが付与され、業界内での企業の取り組みの目安となります。こうした制度を通じて、育業に取り組む企業が増えることが期待されています。

具体的な取り組み事例

多くの企業が育業促進に向けた具体的な施策を導入しています。以下にいくつかの成功事例をご紹介します。

- 株式会社東急モールズデベロップメント では、社員が発案した「TMDパパママサポートプログラム」を導入し、育業の利用をしやすくするための空気感を整備。2022年度には男性育業取得率が100%を達成し、業務効率化にも寄与しています。

- イーソル株式会社 では、トップが「男性育休100%宣言」を行い、育業の取得を「当然」とすべきという姿勢を社内に浸透させています。2012年からは「楽しい“働き方”チャレンジ」プロジェクトを始め、仕事とライフイベントの両立を支援するためのガイドブックやセミナーも充実させています。

- 株式会社ジャノメ は、2022年10月から産後パパ育休を14日間まで有給で取得できる制度を導入し、育業取得に向けたサポート体制を拡充しました。人事部や上司からの積極的な声掛けにより、男性社員が育児休業を取得しやすい環境作りを実現しています。

- 日本アイ・ビー・エム株式会社 は、歴史ある制度の見直しを行い、過去2年間で育業取得率が約20%上昇。新設した有給「育児特別休暇」など、柔軟な働き方を提供することで、育業推進の姿勢を強化しています。

- 住友生命保険相互会社 では、育業取得率を100%に維持し、その成果として「チャレンジ育休30Days」宣言を発表。育業経験者からのアドバイスを通じて、社員同士の相互サポートも促進されています。

- 日本物産株式会社 では、社内でのサポート体制を強化し、全社員に育業取得の手引きを配布。育業取得者対象の座談会を開催し、男性社員の意識改革を進めています。また、公式LINEアカウントを設けて、リアルタイムでのサポートを行っています。

男性育業の社内研修動画

東京都は、育業に関する意識を高めるための社内研修用動画を制作しました。この動画は、男性育業の重要性や社会環境の変化、育業の準備や不安を解消するポイントをアニメーション形式でわかりやすく解説しています。育業推進に必要な情報を伝え、企業内での共通認識を醸成する目的があります。研修動画はこちらから視聴可能です。