大阪・関西万博でのクリーンガス証書管理システムCO2NNEXの新たな挑戦
2025年の大阪・関西万博を見据えて、大阪ガスと三菱重工業の2社が、環境に優しいエネルギー管理のためのデジタルプラットフォーム「CO2NNEX」を運用開始しました。この新システムは、二酸化炭素(CO2)の流通を可視化し、e-メタンの環境価値を証書化することを目指しています。
CO2NNEXの特徴
CO2NNEXは、都市ガス業界初のプラットフォームとして、クリーンガス証書の移転や管理を行います。本博覧会では、大阪ガスが製造したe-メタンやバイオガス、さらにはその原料となるCO2や水素の量、ライフサイクルにおけるCO2排出量のデータを蓄積し、可視化を進めています。これにより、環境性の高いエネルギー供給が可能となるのです。
実証プロジェクトで創出されたクリーンガス証書の利用を管理し、より効率的なエネルギー供給を実現することで、万博のカーボンニュートラル化を促進します。また、東邦ガス、日本ガス、北陸ガスが製造したクリーンガスも、CO2NNEXを通じて移転され、万博会場で使用されます。
先進的な取り組み
大阪・関西万博では、ガスパビリオンおよび万博実証エリアにおいて、来場者に対してクリーンガス証書の移転システムについて紹介するプログラムが用意されています。動画を活用し、都市ガス業界での先進的な取り組みをアピールする予定です。さらに、一般社団法人日本ガス協会からのアドバイスを受けつつ、クリーンガス証書の取引と管理の信頼性を高めるために意見交換が行われています。
CO2の再利用に向けて
このプラットフォームでは、現在取り組まれているe-メタンやカーボンリサイクル燃料(e-fuelやSAF、グリーンLPG)の実用化も視野に入れています。CCU(CO2の再利用)やCCS(CO2の貯留)の技術と合わせて、CO2バリューチェーンを構築していくことが期待されています。具体化が進むCCSの実証事業にCO2NNEXを組み込むことで、カーボンニュートラル社会の実現に向けたマネジメントシステムを構築します。
今後の展望
2024年4月からは、クリーンガス証書の民間運用がスタートし、全国各地で製造されるe-メタンの環境価値が証書として管理される動きが加速します。それに伴い、取引量の増加が見込まれ、クリーンガス証書の移転や管理を行うシステムとしてCO2NNEXがますます重要になるでしょう。
大阪ガスと三菱重工は、この万博でのCO2NNEXの運用から得られた成果を活用し、2030年にはe-メタン社会の実装とカーボンニュートラル社会の達成を目指しています。大阪・関西万博を契機に、持続可能なエネルギー供給の未来を彩る新たな経済圏の創出が期待されているのです。