ASTOMOサービスの開始
令和4年10月9日、次世代の金融インフラを提供するFinatextグループの株式会社スマートプラスが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と手を組み、新しいデジタル証券取引サービス「ASTOMO」を開始しました。このサービスは、セキュリティトークン(ST)取引機能を提供し、個人投資家に向けたより透明で便利な投資の選択肢を提供します。
セキュリティトークン市場の動向
現在、セキュリティトークン市場は急速に成長しています。2024年度には累計の発行金額が1,600億円を超える見通しが立っており、その成長をけん引しているのが不動産関連のSTです。STの特徴は、ブロックチェーン技術を利用することで、透明性が高く、グローバルに流通可能である点にあります。このような特性が、投資家や事業者からの注目を集めているのです。
特に2023年12月には、日本初のSTセカンダリ市場「START」が大阪に登場し、さらなる市場の活性化が期待されています。こうした流れを受け、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、デジタル・アセット事業への新たな一歩を踏み出しました。
ASTOMOの特長
ASTOMOは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の専門性とスマートプラスの技術が融合したサービスです。具体的には、プロが厳選したデジタル証券に投資できるしくみを提供します。投資家は、スマートフォンを利用してわずか10万円から、手軽に投資を始めることが可能です。これにより、金融商品へのアクセスが格段に広がり、投資の楽しみが倍増します。
セキュリティトークン取引の未来
ASTOMOでは、プライマリー市場からセカンダリー市場までトータルでサポートするために、STO(セキュリティトークンオファリング)機能や店頭取引機能を新たに追加しました。これにより、STの募集から取引完了までのライフサイクルを一貫して提供するプラットフォームが実現しました。
新たな金融の可能性
スマートプラスは、今後、社債などの債券型STの取り扱いも視野に入れています。また、法制度の整備に応じて新たなSTの資産クラスへと展開していく計画です。これにより、多くの事業者がST市場に参加しやすくなる環境が整えられ、より多様な投資機会が提供されることでしょう。
ASTOMOの設立により、証券ビジネスの参入障壁が低くなり、より多くの投資家層を取り込むことが可能になります。金融庁が目指す資産運用立国の実現に向けて、個別の金融商品がもたらすリスクとリターンを明確にし、持続可能な金融エコシステムを形成する一助となることが期待されています。
まとめ
ASTOMOは、デジタル証券の未来を導く大きな一歩であり、新しい投資機会を求める顧客に向けて開かれた新時代の金融サービスです。セキュリティトークン市場の成長が続く中、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とスマートプラスの共同事業は、金融の透明性と利便性を高め、ユーザーにとってより良いサービスを提供することを目指し続けます。これからのASTOMOが描く金融の未来にご期待ください。