『カフェーの帰り道』が直木賞候補に!
2025年に発売予定の嶋津輝の新刊『カフェーの帰り道』が、第174回直木賞の候補に選ばれました。本作は、東京・上野に実在したカフェで女給として生きた女性たちの姿を描いた短編集です。大正から昭和にかけて時代の変遷に振り回されながら、朗らかに日々を生きる彼女たちの物語は、まさに“百年前のわたしたちの物語”として、多くの人々に共感を呼ぶことでしょう。
書誌情報
本書は東京創元社から2025年11月12日に発売される予定で、244ページの短編集です。装幀は鈴木久美が手掛け、カバー図案は「美術海」の作品で、著者の個性的な世界観が表現されています。
- - 書名: カフェーの帰り道
- - 著者: 嶋津輝
- - 判型: 四六判仮フランス装
- - ページ数: 244ページ
- - ISBN: 978-4-488-02936-4
- - 価格: 1,870円(税込)
登場人物たち
物語は、あまり人が訪れない「カフェー西行」の女給たちが中心です。彼女たちの生活や人間模様は、まるで生きた時代の写し鏡のよう。
タイ子
タイ子は竹久夢二風の化粧で目を引く女性。彼女はその見た目とは裏腹に、深い思慮を持ちながら日々を生き抜いています。
セイ
小説家を目指すが上手くいかず悩むセイ。彼女は失敗を恐れず、自分の道を探り続ける姿勢が印象的です。
美登里
見かけは嘘つきですが、面倒見のいい美登里。彼女の嘘と本音が交錯する日常から、仲間との絆が生まれます。
園子
年上の新米として、慎ましやかに働く園子。彼女が導く新しい風も、物語の大きな要素となっています。
直木賞選考について
選考会は2026年1月14日(水)の16時から行われる予定です。嶋津輝の作品に2度目のノミネートとなる今回の候補に多くの注目が集まっています。彼の作品が再び評価されることを、多くの読者が期待していることでしょう。
総評
『カフェーの帰り道』は、ただの短編集にとどまらず、戦前の東京に生きた女性たちの切実な物語です。彼女たちの明るさと苦悩が不可分に織り交ぜられ、読む人の心に強く響くことでしょう。直木賞候補としてのその価値に、ぜひご注目下さい。
この作品の魅力について、ぜひ書店で手に取ってご覧ください。嶋津輝の豊かな筆致とストーリーは、また新たな読書の楽しみを提供してくれます。