副業人材マッチングサービス『lotsful』が語る若手層の新たなキャリア観とは

「静かな退職」という言葉が、今注目を集めています。これは、単に退職を意味するのではなく、仕事に対する考え方の変化を反映した表現です。パーソルイノベーション株式会社が運営する副業人材マッチングサービス『lotsful』によると、最近の調査で「静かな退職」に共感する若手社員が増えているという結果が出ました。この現象の背景には、仕事と私生活のバランスを重んじる意識や、昇進への関心の低下があるようです。

調査結果の概要

最初に注目すべきは、調査対象の20～49歳の会社員のうち、72.7％が「静かな退職」に共感していると回答したことです。特に新卒入社から3年から5年未満の社員においては、その割合が89.5％に達しました。内容を見れば、彼らの多くが従来のキャリアパスや成果主義への違和感を抱いていることが伝わってきます。この結果から、若手社員が抱える悩みの背景にはワークライフバランスを求める声が浮かび上がります。

ワークライフバランスを重視する若手世代

調査によれば、「静かな退職」に賛同する理由として最も多いのは「ワークライフバランスを重視したい」という点で、これは全体の45.3％を占めています。次に「昇進・昇格に関心がない」という意見も多く、いかに若者がキャリアに対する価値観を変えているかを示しています。この状況は、企業側にも影響を与え、従来の昇進モデルを見直す必要が生じています。

静かな退職の実践とその効果

現在、「静かな退職」を実践していると答えた人は全体の37.7％に上ります。特に20代の女性でその割合が高く、若年層や女性の間での広がりが顕著です。彼らの多くは、本業においても「安定した収入源」を求めながら、副業などの新しい活動を通じて自分自身のキャリアを形成する意識が高まっています。実際に「心身の健康が改善された」や「ワークライフバランスが改善された」とのポジティブな変化を感じ、とても前向きな姿勢を持っています。

副業活動の活用と働き方の進化

調査の結果では、静かな退職によって空いた時間を副業に活用する人が64.3％に上ることも明らかになっています。これにより多くの人が自らのキャリアを主体的にデザインする姿勢を見せています。特に、実践している人々は本業に対する「ゆとり」や「モチベーション」を再認識し、変化を実感しているとしています。

これからのキャリア観と企業の役割

「静かな退職」は、必ずしもネガティブな理解をする必要はありません。むしろ、個々が自分に合った働き方を見つける重要なステップとして捉えられています。多様な価値観を持つ社員一人ひとりのニーズに応じた企業側の施策の充実が求められている状況です。『lotsful』は、今後も多様な人材が自分らしく活動できる環境を整えていく所存です。

最後に、この調査結果は若手社員のキャリア観の変化を再認識させるものであり、企業においても新たな制度設計や社員との対話が重要性を増しています。これからの働き方を見据えた柔軟なアプローチが、ますます求められることでしょう。今後の動向にも注目が集まります。