熊野古道再生プロジェクト
2025-12-01 13:32:02

熊野古道の無住職寺院再生、海外からの支持で文化財保全へ

熊野古道の無住職寺院再生プロジェクト



和歌山県の那智勝浦町に位置する「寳光寺」を中心に展開する無住職寺院再生プロジェクトが、株式会社ガイアックスのカーブアウト企業であるPlanet Labsによって始まりました。このプロジェクトは、日本初の株式会社型インベストメントDAOによるもので、地域に密着した歴史的建物への小口投資を促す新たな試みです。2023年10月29日に始まった「那智勝浦ファンド」には、既に1,000万円の出資申し込みが寄せられ、そのうち約8割が海外居住者からのものであることが報告されています。

寳光寺の魅力と意義



創建から200年以上経つ寳光寺は、江戸時代に設立されて以来、地域の信仰の拠り所となってきました。しかし近年、少子高齢化や人口減少が続き、住職を失った寺院が増加する一方で、その修繕や維持が難しくなっています。全国には、68,000以上の寺院が存在するとされており、そのうち約3割は無住職の状態にあると言われています。 Islandでは、無住職寺院の増加という深刻な課題に立ち向かうため、このプロジェクトが立ち上げられたのです。

多様な出資者による国際的な連携



「那智勝浦ファンド」には日本国内からの出資者はもちろん、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどからの出資者が集まり、日本と海外の文化交流の新たな枠組みを生み出しています。出資している27名のうち、22%が日本、33%がアジア、22%がヨーロッパ、15%がアメリカからの参加者です。このプロジェクトに参加した多くの出資者は、すでに熊野古道を訪れたことがあり、その経験が再訪を希望する動機となっています。「また訪れたい」「友達や家族を連れて行きたい」といった声が多く寄せられているのも特徴です。

実際の体験者の声



出資者を含む多くの宿泊者からは、「寺院での滞在がとても充実していた」といった感想があり、特に仏教文化や禅に興味を持つ訪問者から高い評価を得ています。ある宿泊者は、仏像見学や座禅、僧侶との交流を通じて得た体験に感動し、また訪れたいとしており、他の宿泊者も「素晴らしい時間を過ごした」とその体験を語っています。これらの体験が、寺院再生プロジェクトへの出資を決める一因となっているようです。

プロジェクトの今後と文化財保護の意義



Planet Labsは、文化財や歴史的建物の再生を通じて、地域文化の保全と持続可能な観光を同時に実現することを目指しています。2024年からはさらに多くの出資者を募り、約23カ国の200名から資金を集める計画が進行中です。このような地道な活動を通じて、熊野古道の文化的価値が守られ、次世代に引き継がれることが期待されています。

日本文化と観光の連携



このプロジェクトは、歴史的な寺院を宿泊施設として再生することで、地域に新たな観光資源を提供します。寳光寺は、大泰寺の傍に位置しており、大泰寺の宿泊施設が8割以上の稼働率を誇る中で、そのアネックスとして活用されることが期待されています。また、海外からの旅行者がその多くを占めているため、国際的な観点でも注目されています。これにより、地域社会が文化財保護に取り組む姿勢が国内外に広がることになるでしょう。

このように、無住職寺院再生プロジェクトは、地域の文化や歴史を大切にしながら持続可能な観光や文化財の保全を進めていく重要な取り組みです。持続可能な未来を見据え、このプロジェクトはその一助となることでしょう。今後の展開にぜひ注目していきたいと思います。


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