JFA女子サッカーデーに学ぶフェアな社会の実現
3月8日は「JFA女子サッカーデー」。この日を機に、日本女性サッカー界の未来を語る特別な対談が実施されました。参加者は、日本フットサルトップリーグの理事であり、女子サッカー界に多大な貢献をしてきた中田久美理事、鈴木万紀子理事、さらに、立川アスレティックFCレディースのフットサル選手、藤田実桜選手の3人です。本対談のテーマは「フェアに輝ける社会、夢に向かってチャレンジできる社会とは」です。
フェアな環境のために必要な努力
理事たちのキャリアを支える背景には、それぞれの苦労や努力があったことがうかがえます。鈴木理事は、大学時代からの体験を通じて、女性としての権利を主張する前に、まず自らの努力が重要だと感じたと話します。彼女は、女子ボート部としての厳しい環境を乗り越え、努力を重ねる中で徐々に環境が改善される様子をみてきました。これは、自分が与えられた環境で努力をし続けることが、最終的により良い社会を作る糧になると彼女が実感したからです。
藤田選手もフットサルでのプロ生活について悩みを抱えながらも、努力を続ける姿勢を示しています。彼女は、働きながら競技を続ける困難さを乗り越えようと奮闘していますが、その中で自分の方向性を模索し続けています。特に、フットサルが広まりつつある日本において、プロとしての環境の不足を痛感しつつも、前向きに活動を続けています。
男女差の影響を受けるキャリア形成
対談の中では、キャリア形成における男女差についても語られました。鈴木理事は、女性がキャリアを築く過程において、結婚や出産が大きな影響を持つと強調します。男性はライフイベントがあっても比較的キャリアを継続しやすいのに対し、女性はそれらのイベントによってキャリアが中断されることが多いと述べました。これにより、女性がもっと安心して働ける環境作りが不可欠であると考えています。
藤田選手も、男子チームとの環境の差を感じることがあると語り、女子選手たちが工夫しながらも、時には寂しさを感じる場面があるという現実を語ります。女子選手がパフォーマンスを発揮できるような環境が整っていないことが、キャリア形成の障害となっている点についても、意見が一致しました。
新しいスタイルの必要性
中田理事は、指導者としての立場から、女性監督の重要性を訴えました。特に、子育てをしながらスポーツに関わる選手たちにとって、安心して活動できる環境が必要です。実際に、彼女は子育てとプレーを両立させられる環境を整えた選手を支援する中で、前例のない挑戦を実施しています。
今後の社会においては、こうした新しいスタイルを推進し、すべての選手がフェアに活動できる環境を作るための意識を高め、実行していく必要があります。このような取り組みが新しい道を切り拓くことを期待しています。
次回は、女性がもっとプレーできる環境をどう整えるかをテーマに議論が続きます。女子サッカーの未来を一緒に考えていきましょう。