看護師の働き方に関する意識調査2025結果報告：職場の満足度と改善希望

看護師の働き方に関する意識調査2025結果報告

株式会社エス･エム･エスが実施した看護師向けの意識調査結果が発表されました。本調査では、全国の9,304人の看護師を対象に、現在の職場に対する満足度や働き方の希望、キャリアプランなど幅広いテーマが取り上げられています。

調査の概略

調査結果によると、全体の62.4％の看護師が現在の職場に満足しているという結果が出ました。特にクリニック、訪問看護ステーション、介護施設に勤務する看護師の満足度が高く、職場環境の充実度が伺えます。特に満足している点として挙げられたのは、同僚や患者との関係性であり、多くの看護師が人間関係の良好さを重視していることが分かります。

満足している点と不満の声

不満点としては、「適切な人員配置が不足している」との声が多く寄せられています。この点については70.2％が不満と回答しており、組織運営や管理体制への不安が浮き彫りになりました。また、前職をやめた理由として「上司との関係に不満」が31.5％を占めており、管理職への不満が看護師の転職理由に影響していることが示されています。

働き方の希望とキャリアプラン

働き方の希望としては、「常勤（日勤のみ）」が54.5％で圧倒的な支持を受けており、続いて「常勤（夜勤あり／2交代制）」が32.9％を占めています。特に、夜勤から日勤へのシフトを望む看護師が多い中で、常勤の夜勤ありの割合が増加する傾向も見受けられます。また、今後のキャリアプランを考えていないという回答が50.6％に達し、多くの看護師が将来に対して明確なビジョンを持っていない現状が浮かび上がりました。

注目される訪問看護ステーション

興味深いことに、訪問看護ステーションでの就業に関心を持つ看護師が29.3％に達しています。在宅医療の重要性が今後増す中、訪問看護への興味が高まっており、特に「在宅医療に社会的な意義を感じる」との意見が多く見られました。患者にじっくり向き合える環境を求める声が大多数でした。

ICTの導入とその影響

調査では、ICTの導入状況についても触れられています。急性期病院の97.7％がICTを導入しており、業務の効率化や情報の共有を円滑に行えていることが報告されています。ICTに対してポジティブな反応を示す一方で、トラブルやエラーの発生が課題として挙げられています。従来の手書きによる記録管理については、整理が難しいという声が多く、改善の余地があることが示されています。

看護師が求める研修とサポート

看護師が職場で受けたい研修としては「ストレス管理」が最も多く、次いで「救急・急変時対応」が続いています。これに対し、外部の相談窓口やサポートが求められている状況も確認され、特にハラスメントやメンタルヘルスに関する相談窓口を希望する声が高まりました。

企業として定期的にこうした調査を実施することで、看護師が求める環境改善の実現や適切なキャリア支援が期待されます。調査結果に基づいた施策の実施が、今後ますます重要な要素となることでしょう。