新技術で合成革新
2026-08-07 12:40:10

イグラチモド製造に関する新技術が実現した持続可能な化学プロセス

日本曹達と三谷産業が開発した新たな製造プロセス



日本曹達株式会社とそのグループ会社であるアクティブファーマは、三谷産業と共同で抗リウマチ薬「イグラチモド」の新しい製造プロセスを発表しました。このプロセスには、東京大学の小林 修特任教授らの研究成果が活かされ、ポリスチレン樹脂に固定化したNHC触媒を用いた連続フロー法が採用されています。この革新技術は、環境に優しく効率的な医薬品製造を実現すると期待されています。

研究の背景と重要性


イグラチモドは、関節リウマチの治療に用いられる医薬品として広く知られています。最新の報告では、COVID-19の重症化抑制にも効果があるとされています。しかし、従来の製造方法は多段階で有機溶媒を多く使用するため、環境への負荷が大きいことが問題とされていました。これに対処するため、より持続可能で効率的な製造プロセスが求められていました。

新たな製造プロセスの特徴


持続可能な合成法の確立


今回開発された製造プロセスは、ポリスチレン基材に固定化したNHC触媒を使用することによって、さらなる環境負荷の低減を実現しています。この触媒は金属を使わずに化学反応を進行させるため、反応の効率性が高く、環境への負担も軽減されています。

安定した長時間運転の実現


研究グループは、条件を最適化することで24時間連続運転を実現し、約1.8gのイグラチモド前駆体を安定して取得することに成功しました。インラインNMRを用いた解析技術によって、反応条件をリアルタイムでモニタリングし、精密な制御を可能にしました。

簡便な後処理による効率性


フロー反応後の処理も簡便で、酸洗浄、N-ホルミル化、再結晶の操作を通じてイグラチモド原薬を得ることができ、総収率は75%に達しています。これにより、製造プロセスとしての実用性が確認されました。

今後の展望


「不均一系有機触媒と連続フロー合成」の技術は、持続可能な医薬品原薬製造の基盤技術としての役割を果たすことが期待されています。今後は触媒のさらに長寿命化やスケールアップを検討し、他の医薬品や農薬分野への応用も進める方針です。これにより、製造現場における廃棄物を削減し、コストの低減や安全性向上に寄与することを目指します。

連続フロー法の可能性


連続フロー法は、医薬品の合成において高い選択性と収率を実現する手法として注目されています。この方法により、多段階の反応を一貫して行うことが可能となり、複雑な化合物の合成も容易になります。今後の化学製品の製造において、ますます重要な役割を果たすことでしょう。

結論


日本曹達と三谷産業の共同研究により、抗リウマチ薬イグラチモドの新しい製造プロセスが確立されました。この技術は、持続可能な医薬品の生産に向けた新たな一歩として、その影響が期待されます。今後も、化学分野での革新が進むことを楽しみにしています。


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