ランドセルの新未来「ぴたかる」の誕生
2025年に行われる大阪・関西万博で、多くの注目を集めたのが、セイバンが四天王寺高校の学生と共に開発したランドセル用の負担軽減機能「ぴたかる」です。この新しい機能は、ランドセルをより快適に背負えるよう工夫されています。
「ぴたかる」とは?
「ぴたかる」はランドセルの内部に装着する付属品で、荷物が常に背中側に固定されることで、重心を安定させます。これにより、子どもたちの体への負担を軽減し、自然な姿勢を保つことができます。効果的な姿勢の維持は、成長期の子どもにとって非常に重要です。
セイバンの理念と背景
セイバンは、「お子さまの負担を軽減すること」を企業の根幹に掲げ、約80年にわたりランドセルの機能向上に取り組んできました。四天王寺高校の学生たちは、小学生のランドセルに関連する姿勢の悪化という大きな課題に直面し、「ぴたかる」の開発に挑みました。このアイデアに共感したセイバンは、彼らの発想をサポートすることにしました。
四天王寺高校の学生の想い
四天王寺高校の学生たちは、なぜ「ぴたかる」を作ることになったのか。それは“小学生の姿勢悪化”の問題を解決したいと考えたからです。ランドセルを背負ったままで良い姿勢を保つことができる機能を開発することで、無意識に姿勢を改善できる方法を追求しています。さらに、重い荷物による「ランドセル症候群」への対策も考慮されています。
開発の苦労とこだわり
開発を進める中、学生たちは多くの試行錯誤を経て、最適な素材を見出しました。軽量なハードウェアを使用することで、重心のバランスを確保しつつ、他社製品と差別化を図るための工夫を凝らしました。特に3Dプリンターを駆使して、ベルト固定タイプを採用することで完成度を高めていきました。
一緒に働く感動
セイバンの開発担当者は、高校生たちの情熱と誠実な取り組みに感動し、「お子さまの負担を軽減する」という彼らの熱意を感じました。また、改善を重ねていく中で、学生たちが具体的なアイデアを提示する姿にも多くの刺激を受けました。
商品化の夢
四天王寺高校生たちとセイバンの協力によって誕生した「ぴたかる」は、万博での発表を皮切りに、さらなる形にすることが期待されています。最終的な目標は、この製品を商品化し、一人でも多くの子どもたちに提供することです。
セイバンの「子ども想い品質」
セイバンは「愛情のものづくり」を理念に、心と体の健康を意識したランドセルの開発を進めています。これからも見えない部分にこだわり続け、お子さまに笑顔をもたらす商品づくりを追求していくことを誓っています。
「ぴたかる」は、ただのランドセル機能の進化に留まらず、次世代を担う子どもたちの健康を守るための大切な概念を体現しています。
彼らが手がけたこの革新的な機能が、これからの教育環境でどのように活かされ、広がっていくのか、その実現を心待ちにしています。