テックドクターとベルシステム24が協力し健康管理の新基盤構築へ

テックドクターとベルシステム24による健康管理の革新

最近、テックドクターとベルシステム24が協力して、リアルワールドデータを活用した新しい健康管理の基盤を構築する取り組みを開始しました。この取り組みは、気圧や天候の変化が引き起こす気象病や生活の質（QOL）の変化をより正確に把握し、体調変化の予兆を捉えることを目的としています。

プロジェクトの背景

医療の現場では、診断や治療の際に集められるデータは受診時の情報に限られ、経時的な変化を捉えることが難しいのが現状です。特に頭痛は多くの人が抱える健康問題で、その原因はさまざまです。個々の患者の生活習慣や環境に応じた詳細なデータが不足しているため、症状に基づく適切な治療法や予防策の提案が難しい実情がありました。

これらの課題を解決するため、テックドクターとベルシステム24はリアルワールドデータの活用を通じて、患者により個別化された医療サービスを提供することを目指してこの取り組みを始めました。

各社の取り組み

テックドクターは、日常生活から得られる生体データを使って、疾患の有無や治療効果を客観的に評価するデジタルバイオマーカーの開発を進めています。ベルシステム24は、気象による頭痛の関与についての研究を行っており、実績として医療機関と共同で気象の影響に関する論文を発表しています。また、Fitbitなどのウェアラブルデバイスとの連携も推進し、精度の高い体調管理を実現しています。

取り組みの詳細

この取り組みでは、「頭痛―る」を使う約300名を対象に、日常的な健康情報を詳細に収集します。具体的には以下のデータを活用します：
1. 心拍数や睡眠などの生体データ：Fitbitから得られる情報とテックドクターのデジタルバイオマーカー開発プラットフォーム「SelfBase」とを連携し、自動的に収集します。
2. 頭痛の強さや服薬に関する健康データ：利用者が「頭痛―る」に記録した情報から取得します。
3. 生活習慣や体調に関するアンケートデータ：利用者に日次で実施するオンライン調査を通じて得ます。

これらのデータを統合・分析することによって、利用者の健康状態の変化を追跡し、さらにそれをもとに疾患予測や早期発見に役立つデジタルバイオマーカーの開発を進めていきます。

今後の展望

将来的には、ユーザーの日常的な健康データをリアルタイムで取得し、これをもとに実臨床では得られにくいエビデンスの蓄積を目指します。これにより、製薬や食品、ヘルスケア分野において新たな研究開発やサービス設計への貢献が期待されています。また、個別化医療や予防医療の推進に寄与し、多くの人々の健康とウェルビーイングの向上に向けて取り組んでいきます。

今回の取り組みは、テックドクターとベルシステム24が持つ技術とデータを融合させ、新しい健康管理の方法を模索する一歩として、多くの人々にとって価値のある結果につながることでしょう。