株式会社Edeyans、ホテル客室清掃のデジタル化を加速
最近、株式会社EdeyansがシリーズBラウンドで6.7億円の資金調達を実施したことが発表されました。Edeyansは、東京都に本社を構える企業で、AIベースのホテル客室清掃オペレーションとSaaSプラットフォーム「Jtas」を展開しています。この調達資金は、同社の技術開発や事業のさらなる拡大を目的に利用されます。
資金調達の目的と内容
今回の資金調達は、以下の二つの目標に基づいています。まず一つ目は、AI SaaS「Jtas」の開発を強化し、客室清掃を起点とした運営管理の標準化を推進することです。このプラットフォームは、物品管理や設備点検などホテルのバックエンド業務のAI化を進め、最終的には「ホテル業界標準OS」としての地位を築くことを狙っています。
二つ目は、客室清掃オペレーションの拡大と、人材基盤の強化です。Edeyansは、客室清掃のプロフェッショナル「ルームマイスター」を育成し、それを支える人材を拡充する意向です。この施策は、特にインドネシアにおいて現地拠点を設立し、採用と教育を進めることで、深刻な人手不足の解消を目指しています。
ホテル業界の現状
コロナ禍を経て、ホテル業界は変革期を迎えています。人手不足に加え、訪日外国人の旅行者数が急増し、稼働率は高まる一方で、客室清掃の能力不足が問題視されています。結果として、宿泊施設の清掃が追いつかず、顧客満足度の低下や従業員の過労が生じている現状です。
Edeyansは、このような業界の課題に対処するために、技術と人材の両面でアプローチしています。これにより客室清掃の効率を向上させ、オペレーション品質を競争力の源泉とする時代に適応しようとしています。
Edeyansの実績と今後の展望
Edeyansは過去1年間で、月次経常収益(MRR)が4倍に成長し、解約率は0%を維持しています。さらに、大手ホテルチェーンへの導入率も39.5%に達しており、業界での地位を確立しつつあります。また、客室清掃オペレーション事業においては、100人のルームマイスターを採用し、前年対比で粗利益が200%増加しました。この成功を背景に、2030年までに1,000人の採用を目指しています。
代表者からのコメント
株式会社Edeyansの代表取締役である片山裕之氏は、「現在の人手不足に対処すべく、技術とサービスを組み合わせた革新を進めています」と述べています。これからも客室清掃だけではなく、ホテルオペレーション全体を進化させ、快適な宿泊体験を提供することを目指して挑戦を続けるとのことです。
結論
Edeyansの取り組みは、波紋を広げる宿泊業界の未来に向けた重要な一歩です。人手不足やデジタル化の課題に真正面から対応し、テクノロジーと人材育成による新しいビジネスモデルを構築することで、さらなる成長が期待されています。今後の展開に注目です。