日立が推進するデジタルアセット取引向けマネー・ローンダリング対策の最前線
2023年10月、株式会社日立製作所は、金融機関や暗号資産関連事業者と連携し、デジタルアセット取引におけるマネー・ローンダリング対策の実証実験を行いました。この取組みは、暗号資産やステーブルコイン、NFT(非代替性トークン)などを含むデジタルアセットの取引において、金融犯罪リスクの早期検知と精度向上を目的としています。
日立主導のこの実証実験には、合計17社が参加し、疑わしい取引や高リスクなウォレットに関する情報を共有することで、業界全体のリスク把握と対応の効率を向上させることを目指してきました。これにより、マネー・ローンダリングに対抗する新たなモデルの可能性が広がっています。
実証実験の概要
この実証実験で日立は、金融機関向けのシステムやデータ分析の知見を最大限に生かしながら、業界間でのリスクシグナルの共有に取り組みました。特に、特定の取引やウォレットアドレスについて過去のデータを基にしたリスク評価を行い、各社が迅速に初動対応できる体制を構築しました。また、発行済みのステーブルコインの流通状況を監視する仕組みも評価され、資金移動の経路を把握することで、疑わしい取引をより迅速に特定することが期待されます。
未来の服務内容
日立は、2026年10月よりデジタルアセット取引向けのアンチ・マネー・ローンダリング(AML)モニタリングサービスを提供する予定です。このサービスでは、取引後の継続監視や、取引前のリスク評価、発行済みトークンの流通監視など、業界関係者のニーズに応じた複数の機能を備え、金融犯罪リスクへの効果的な対応を支援します。
業界共同の取組み
今回の実証実験は、単独での対応に限界がある中で、日立が各社と連携した結果として注目されています。既に2025年から継続して行われているこの取組みは、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」による協力も得ており、次回の実証実験は2026年の春に予定されています。
上記のような取り組みを通じて、日立はデジタルアセット取引における金融犯罪への防御を強化し、業界全体の防犯力の向上を目指す方向性を打ち出しています。特に、今後の社会実装に向けて、AML共同センターの構想についても具体化が進んでいることから、さらなる期待が寄せられています。
まとめ
デジタルアセットは急成長を遂げているものの、その裏には金融犯罪のリスクが隠れています。日立製作所が展開するこの新しい取り組みは、業界全体のリスク把握と対応力を強化し、デジタルアセット市場の健全な発展に寄与することを目指しています。今後、どのような展開が待ち受けているのか要注目です。