概要
2026年1月30日、公正取引委員会主催の「第2回デジタル競争グローバルフォーラム」が開催され、AIセキュリティスタートアップのSherLOCKがパネリストとして登壇しました。このフォーラムには、欧州委員会やドイツ連邦カルテル庁、マイクロソフトといった国際的なリーダーが集まり、AIとデジタル競争における課題や展望について議論が交わされました。SherLOCKの代表、築地テレサ氏は、特にAI社会における「中立的なセキュリティ統制レイヤー」の重要性を強調しました。
背景
日本においては、2025年12月に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が施行されました。この法整備は、モバイルOSやアプリストアの特定ソフトウェアに対する公正な競争を促進し、独占を排除することを目的としています。SherLOCKは、この法の趣旨を技術的に具現化するため、パネルディスカッションにおいて具体的な提言を行いました。
セッションのハイライト
築地氏は、「未来への投資〜プラットフォーム型経済において中小事業者がいかに成長するか」というテーマの下、以下の三つのポイントを提案しました。
1.
独立した検証環境の構築
現在のAIエージェント社会では、セキュリティ評価が特定プラットフォーム内で完結すること(自己採点)が、情報非対称性を助長しています。SherLOCKは、企業が「デジタル主権」を確保できるような、プラットフォームを超えた独立したセキュリティ統制レイヤーの設置を呼びかけました。
2.
公正な競争の環境作り
ビッグテックのインフラはスタートアップ成長に貢献しますが、その安全性・公平性を中立に検証する独立したレイヤーがなければ、公正な競争は妨げられます。逆に、このようなガードレールがあれば、大手企業も安心して新たな技術を導入できるようになるとのことです。
3.
マルチプラットフォーム間の標準化
複数のプラットフォームを利用する中で一貫したセキュリティポリシーを適用するためには、インターフェースの標準化が必須です。日本がデジタル市場の規制議論を先導する中、「日本発のAIセキュリティのグローバルスタンダード」を構築する必要があると強調しました。
SherLOCKのビジョン
築地氏は「スマホソフトウェア競争促進法は、デジタル市場における自由と安全の新基準です。ビッグテックの力を借りつつ、独立したセキュリティイノベーションが日本やアジアの消費者に恩恵をもたらすと確信しています。」と語り、SherLOCKの使命感を強調しました。このように、AI社会の発展に向けての取り組みは、ただの技術的な側面だけでなく、ビジネス環境や消費者の安全性を保証するものとなることでしょう。
会社概要
SherLOCK株式会社は、AIセキュリティとセーフティソリューションの開発・販売を行う企業です。代表取締役CEOの築地テレサ氏が、2024年に設立しました。彼らの主要な使命は、AIガバナンスに関するコンサルティング支援を通じて、社会全体のセキュリティの向上に寄与することです。詳しくは、
公式ウェブサイトを訪れるといいでしょう。
最後に
今回のフォーラムでのSherLOCKの発表は、AIとデジタルエコシステムにおける新しい可能性を示唆するものであり、今後の展開から目が離せません。彼らが提唱する「中立的なセキュリティ統制レイヤー」が、AI社会の未来においてどのような役割を果たすのか、注目が集まります。