日立が企業間取引自動化の実証実験を成功裏に終了
株式会社日立製作所は、トークン化預金を利用して企業間取引のプロセスを自動化する実証実験に成功しました。この実験は、受発注から決済、会計に至るまでの一連の業務を対象としており、これまで手作業に依存していた経理・財務部門の業務負荷を大幅に軽減し、完全自動化への可能性を示しています。
インボイスチェーンの主要機能
本実証実験では、日立がブロックチェーン技術を駆使し、共通基盤「インボイスチェーン」の主要機能を開発しました。この基盤は、トークン化預金DCJPYを用いた決済処理と流通ビジネスメッセージ標準(BMS)を活用した商品の受発注処理を連携させ、商流と金流を一体化します。これにより、取引処理の迅速化と自動化が実現するほか、注文内容と決済情報の不整合を解消することが可能です。
実証実験は、株式会社ディーカレットDCPの事務局のもと、賛同した企業9社が共同で行いました。参加企業の中には、イオンスマートテクノロジーや花王グループ、富士通などが名を連ねており、それぞれが持つ専門知識を生かした実験が展開されました。
現在の企業間取引が抱える課題
多くの企業では、企業間取引に関連する社内システムがサイロ化されており、それぞれの業務が分断されています。そのため、受発注から決済・会計業務まで、多くの手作業に依存しており、請求書の発行や入金確認、消込作業に多くの時間を費やしています。
デジタル通貨フォーラムのインボイスチェーン分科会では、これらの課題を解決する方法の一つとして、トークン化預金DCJPYを活用した「インボイスチェーン」構想を策定しています。この構想は、ブロックチェーン上で改ざんのない取引データを持ち、高い透明性を実現しながら自動支払いが可能になることを目指しています。
自動化の実現に向けた取り組み
本実証実験では、日立が主導となり、流通BMSを利用して実際の企業間取引を行い、以下の3つのプロセスに成功しました。
1.
受発注データと決済情報の連携
ツルハグループから花王グループ向けの受領・返品データを取得し、このデータを使って商取引トークン(NFT)を生成しました。
2.
トークン化預金による支払い
商取引トークンに基づいて、DCJPYを用いて支払い処理を完了させました。
3.
消込ファイルの自動生成
支払い後、債権管理システムに適応する消込ファイルを生成し、これに基づく消込作業が問題なく行えることを確認しました。
このように、既存の流通システムとの連携を強化することで、企業間取引のプロセスをシームレスに統合し、効率的な業務運用が期待されています。
今後の展望とデジタル基盤の重要性
日立は今後、インボイスチェーンによる企業間取引の省力化・自動化を推進し、トークンエコノミーの実現を目指します。特に、AIエージェントが取引を行う未来を見据え、信頼性の高いデジタル基盤を提供していく方針です。これにより、人とAIが安心して取引できる「うそのつけないDX」の実現に向けて貢献します。
今後の展開により、企業間取引の自動化が進むことで、業界全体の効率化や信頼性向上につながることが期待されます。
興味のある方は、日立のブロックチェーン関連の情報もぜひチェックしてください。
- - 日立ブロックチェーン紹介サイト: こちら
- - デジタル通貨フォーラムに関するプレスリリース: こちら
この新たな取り組みにより、企業間取引の未来が大きく変わる可能性があります。