海外赴任者の待遇
2026-07-22 18:59:16

海外赴任者の待遇を探るEYモビリティサーベイの最新結果

海外赴任者の待遇を探るEYモビリティサーベイの最新結果



EY税理士法人は、海外赴任者の制度についての実態を明らかにする「第10回EYモビリティサーベイ」を実施しました。今回の調査では、物価の上昇や為替変動など、赴任者が直面する新たな環境における扱われ方に焦点を当てています。調査の結果は、海外赴任者の一時帰国制度や赴任支度金、株式報酬プランに関する企業の取り組みが明らかとなり、特に改定の動きが乏しい現状が浮き彫りとなりました。

調査の目的と方法


本調査は、2026年2月16日から4月24日までの期間に、国内外の企業から213名の回答を得たもので、特に人事や経理、経営企画などの専門的な部門に所属する担当者が多く含まれています。調査の目的は、海外赴任者に関する処遇や人事施策、税務対応などの実態を明らかにすることです。

一時帰国制度の現状


一時帰国費用補助

調査によれば、海外赴任者に対する一時帰国費用補助については、家族帯同、単身、独身のいずれの形態でも、年1回以上の帰国支援を行っている企業が半数以上に達しています。特に、家族帯同の場合は60%、単身赴任者は51%、独身赴任者に至っては62%が年1回以上のサポートを受けています。この傾向は前回調査と大きな変化は無く、安定して帰国支援が行われていることがわかります。

また、一時帰国時の航空運賃を負担する企業は約80%に上っており、帰国の際の宿泊費まで補助する企業は1割強であり、年々減少傾向にあります。この制度が形骸化している面もあることが見て取れます。

赴任支度金の支給状況

93%の企業が赴任支度金を支給しており、平均支給額は本人約30万円、帯同者約16万円、子どもに対しては約5万円となっています。これは役職や年収に関係なく一定額を支給するケースが多いようです。しかし、物価上昇に対する見直しがされていない企業も多く、約3割が2020年以前から金額を改定していない実態が明らかになっています。これにより、海外での生活環境が変化している現在、支給額が適切でなくなるリスクが高まっています。

株式報酬プランの導入状況


調査から、海外赴任者向けの株式報酬プランを導入している企業はわずか29%であることがわかりました。これは、グローバル人材の確保や定着を目的とした制度として今後の導入が期待されていますが、現状では多くの企業が未導入であり、導入検討が始まった企業のみにとどまっている現状があります。従って、企業は多様な人材を引き留める施策の拡充が迫られています。

今後の動向と企業への提言


EY税理士法人の専門家は、物価上昇や為替変動が続く中で、企業は一時帰国制度や赴任支度金の体系を見直すことが重要だと指摘しています。特に、海外赴任制度の見直しは単に金銭的支援だけでなく、リモートワークや多様な働き方に対応した新しい制度の構築が求められています。これは、海外赴任が会社の命令ではなく、社員の選択肢となりつつある今の時代に求められる対応です。

以上の調査結果を踏まえ、企業は早急に海外赴任者の待遇制度を見直し、現代の多様な働き方に対応した支援を行うことが、今後のタレントマネジメントにおいて必須になるでしょう。

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