新しい避難者マネジメントシステムの導入
最近、自然災害の影響で避難所の運営がますます困難になっています。そこで、株式会社バカン(本社:東京都中央区)が新たに開発した「避難者マネジメントシステム」が、輪島市・珠洲市・穴水町・能登町の4つの自治体で導入されることになりました。このシステムは、避難所の入退所管理や名簿作成をデジタルで一元管理し、災害時における混乱を軽減することを目指しています。
導入の背景
避難時の混雑を緩和し、安全に避難できる体制の強化が各自治体で求められています。特に令和6年に発生した能登半島地震や奥能登豪雨では通信網や電力が途絶え、多くの課題が顕在化しました。これらの経験を受けて、石川県は「奥能登版デジタルライフライン」として、避難所運営のデジタル化に着手し、今回のシステム導入はその一翼を担うものです。
バカンはこれまで、リアルタイムでの混雑情報の提供や避難所マップなどを通じて、全国の200以上の自治体で避難所の状況可視化を進めてきました。
新システムの主な機能
新たに導入される「避難者マネジメントシステム」では、主に以下のような機能が搭載されています。
1. 避難所入所手続きのデジタル化
マイナンバーカードなどの身分証明書をスキャンすることで、迅速かつ正確に入所手続きを行うことができます。また、バカンのLINE公式アカウント「VACAN防災」を利用して、スマホから情報を入力することも可能で、職員による手動の管理画面への入力も含まれています。
2. 名簿管理の効率化
避難者が入所すると、自動的に名簿が生成され、リアルタイムで更新されます。個人情報の編集や世帯・グループ単位での管理も行えて、名簿はCSV形式で出力することもできるため、他の業務との連携が容易です。
3. 混雑情報の可視化
現在地の近くにある避難所の位置、開設状況、混雑状況などが地図上で確認できます。また、視覚的に混雑情報を把握することで、避難者は自分に適した避難所を選びやすくなります。
可視化される避難所の数
今回の導入により、輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の合計109箇所の避難所が対象となります。具体的には、輪島市41箇所、珠洲市26箇所、穴水町5箇所、能登町37箇所の避難所情報が可視化される予定です。
未来への展望
バカンは今後、避難者の混雑状況の配信に留まらず、物資の必要量の予測や避難者データを他のシステムと連携させる機能なども追加する計画です。また、公共施設の予約や観光、イベント情報の配信なども視野に入れており、さらなる利活用を目指しています。
会社紹介
株式会社バカンは、経済産業省の「J-Startup 2019」に選ばれるなど、革新的な技術を持つ企業です。「人と空間を、テクノロジーで優しくつなぐ」というミッションのもと、まちをアップデートするためのプラットフォームを提供しています。詳細については、公式サイト(https://corp.vacan.com/)をご覧ください。
この新しいシステムが導入されることで、災害時の対応力が一層強化され、地域住民の安全が守られることが期待されています。