AIを駆使した銀行業務
2025-10-21 15:46:43

日立と京葉銀行がAI技術でコールセンターのサービス向上に挑む

日立と京葉銀行がAI技術でコールセンターのサービス向上に挑む



日立製作所と京葉銀行は、顧客サービスの強化を目指して、生成AIを活用した新たな技術検証を実施しました。この取り組みは、2025年5月から9月にかけて行われ、コールセンターの業務効率や品質向上を目指しています。

生成AIと「ユーザー確認技術」



京葉銀行では、質問に対する迅速で正確な応答を可能にするため、蓄積されたナレッジを基にした自動応答システムを導入しています。この新しいシステムは、24時間365日、顧客がいつでも質問できる環境を整えることを目的としています。日立はその一環として「ユーザー確認技術」を導入しました。この技術は、質問内容が不十分な場合でも、AIが自動的に補足質問を行うことで、正確な情報の取得を可能にします。

この技術により、誤った回答を生むリスクを軽減し、回答精度を高める可能性が期待されています。具体的には、今回の検証ではAIが生成した回答の正答率を評価しました。当初、正答率は58%でしたが、「ユーザー確認技術」を活用することで86%に上昇しました。これは、顧客の意図に沿った正確な応答を生成できるようになった証です。

コールセンターの課題解決に向けて



近年、金融機関では非対面での問い合わせが増加しており、それに伴いオペレーターの人手が不足しています。また、各オペレーターのスキルに差があるため、対応品質にもばらつきが見られるという課題が浮き彫りになっています。これらの問題は、顧客の待ち時間や不適切な回答に繋がり、結果的に利用者の満足度を低下させる要因となっています。

生成AIの導入が注目される背景には、こうした課題に対する迅速かつ正確な解決策としての可能性があります。従来のチャットボットにおいては、大量のFAQを作成する必要があり、ユーザーの微妙な質問に適切に応じるのが難しいとされていました。それに対する解決策として、日立の「ユーザー確認技術」を活用することが有効とされています。これにより、質問の意図を明確にし、適切な回答を引き出すことが可能になります。

今後の展望



今回の検証結果を受けて、日立は今後「ユーザー確認技術」を京葉銀行の実業務に導入し、顧客の待ち時間短縮や対応品質の均一化を図ります。また、金融機関においてはこの技術を広く展開し、業務の属人化や人材不足の課題解決を目指します。

日立は、今後もこの技術をコールセンター業務だけでなく、営業や審査業務、システム開発の効率化にも活用し、金融機関が直面しているさまざまな問題に新たな価値を提供していく考えです。

日立は、環境、幸福、経済成長が調和した社会の実現に向け、ITとOTを駆使した社会イノベーション事業を通じて、お客様と社会の課題解決に取り組んでいます。これからも新しい技術を取り入れ、より良いサービスを提供することを目指して進んでいきます。


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