官民の電子化認識にズレ、地域DX推進の壁とは?
株式会社インフォマートが行った調査により、自治体と地域事業者間でのデジタル化に対する意識の差が明らかとなりました。この報告書は、802名を対象にした「会計業務に関する実態調査」の結果を元にしたもので、地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)における複雑な現状が浮き彫りになっています。
調査の背景と目的
デジタル化の進展は、業務の効率化やコスト削減を実現する上で不可欠です。特に地方自治体は、地域事業者と連携し、業務の効率化を図る必要があります。しかし、実態はどうでしょうか。調査からは、自治体と事業者の間で「お互いがデジタル化に対して遠慮している」という意識が、実際の推進を妨げている現状が明らかになりました。
官民の遠慮がDXを阻む
調査結果では、自治体側の21.4%が「地域事業者はデジタル化に対応できない」と考えている一方、事業者側の78.5%が自治体の電子化に前向きであることが示されました。この認識のズレがSDGsの実現を阻む大きな壁となっているのです。特に、電子化に冷静に向き合うことができず、そこにある「善意」がかえって手足を縛る結果になっています。
事業者の中には、自治体からの「電子化の要請がない」と感じている方が多く、これは互いの意思疎通が不足している証拠です。
依然として残るアナログ業務
調査によれば、請求書や契約書などの帳票は依然として紙ベースの取引が主流であり、請求書の半数以上が紙で提出されています。このようなアナログなやり取りが、取引にかかる時間やコストを大幅に増加させる要因となっていることが示されています。
また、帳票類を持参する際には、半数以上が30分以上かかるという調査結果もあり、なかには「2時間以上」を要する事例も見受けられます。こうした作業は時間だけでなく、業務上のコストやリスクを引き起こしていることにも注意が必要です。このような無駄な手間が積み重なることで、業務の効率が悪化し、支払い遅延などの問題を引き起こす要因となっています。
電子化の恩恵と課題
しかし、調査によれば、帳票類の電子化を進めることによって、事業者の約4割と自治体の約3割がコスト削減効果を実感しています。具体的には、印刷費や郵送費の削減、作業の効率向上が確認されており、デジタル化の導入が地域経済にとってのプラス要因となることが示唆されています。
地域DXのために
このような状況を改善するためには、まずは自治体から積極的に電子化を進めるコミュニケーションを行うことが求められます。DXの推進には官民の協力が欠かせませんが、デジタル化に対する意識調査から見えてくるのは、お互いに遠慮し合うことなく、オープンな対話を持つことで地域全体でのデジタル化を加速させることが可能だということです。
最後に、今回の調査に対するインフォマート執行役員の小野史裕のコメントを引用します。「地域DXを進めるためには、まずは積極的に対話を始めることが最も重要です。官民が協力し合って業務効率化を実現することが、地域全体の生産性向上への近道となるでしょう。」
調査概要
- - 調査対象: 自治体との取引実績がある事業者と会計業務に従事する自治体職員
- - 調査方法: インターネットリサーチ
- - 調査期間: 2026年4月13日〜4月20日
- - 回答者: 802名
この調査結果を参考に、ぜひ皆さんも地域内のデジタル化について考えてみてください。