町田市が実施するAI導入による安全対策の実証実験の全貌

東京都町田市で、先進的な地域運営を目指す実証実験が始まりました。町田市と株式会社アジラは、2023年10月1日に覚書を締結し、町田ターミナルプラザで「AI Security asilla」および「asilla BIZ」を活用した安全対策の強化を目指します。
この実証実験の期間は2025年10月1日から2026年9月30日までの1年間で、犯罪や事故の早期発見、風景解析を通じて市民が安心して暮らせる環境を整えることが目的です。

実験の目的と内容

本実証実験の大まかな目的は二つです。一つ目は、施設内で発生する犯罪や事故を迅速に発見し、その対策を講じることで、誰もが安心して暮らせる環境を構築することです。このために、AIによる不審行動や危険行為の予兆検知が行われます。

二つ目は、施設内の人流を「見える化」し、利便性を高めること。具体的には、市営原町田一丁目駐車場閉鎖前後の人流と町田ターミナルプラザ市民広場での利用状況を分析し、今後のまちづくりに活用することが見込まれています。

この実験では、町田ターミナルプラザ2階に設置されている防犯カメラ8基にAIシステムを組み込みます。これにより、事故が発生した際には、行動を検知してアラームを鳴らし、迅速に対応できるようにします。また、利便性向上とデータ収集のため、商業施設内のお客様の動向も解析される予定です。

協力企業の役割

このプロジェクトには、東急株式会社や株式会社ザイマックスの協力も得ており、それぞれの企業での役割が明確に分担されています。町田市が施設利用に関する調整を行い、アジラはシステムの設置と運用の支援を担当します。東急は施設の統括管理、ザイマックスは現場管理を行うことで活動をサポートします。

実証実験による期待される効果

この実証実験には多くの期待が寄せられており、安全安心な施設運営の確立が見込まれています。具体的には、行動検知技術により事故や不審行動の早期発見が可能になり、また人流解析によって施設内での動線を最適化することが可能です。これにより、町田ターミナルプラザのイメージ向上にもつながるでしょう。

特に2024年度には、実証実験に使用される「AI Security asilla」が町田市トライアル発注認定商品に認定され、既存の防犯カメラ映像をAIで解析し、異常行動をリアルタイムで検知する能力が期待されています。その結果、犯罪の未然防止や迅速な警務業務が実現し、警備員の負担も軽減されるでしょう。