岡山大学、犬型ロボットを用いた農業革新の最前線
2025年2月28日、岡山大学は岡山県久米南町のブドウ農場において、犬型ロボットを用いた農作業支援の実証実験を行い、現地の農業従事者との意見交換も行いました。この取り組みは、地域中核大学の役割として、地元の農業を支援するための重要なステップです。
実証実験の狙い
内閣府の「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」に基づき、岡山大学は中山間地域の活性化を図るプロジェクトを実施しました。このプロジェクトのリーダーである林靖彦副理事の下、実証実験が進められました。前日には岡山大学の農場でロボットの動作確認が行われ、続けて現場での実用性を探る一環として行われたのです。
参加者と使用されたロボット
この実証実験には、岡山大学の教職員に加え、高知工科大学の栗原徹教授とその学生たち、久米南町の片山篤町長、地域の農業関係者も参加しました。実際に使用されたロボットは、四足歩行の犬型ロボット「Spot」と「Unitree Go2」です。これらを用いて、具体的な農作業を支援する可能性について検証が行われました。
デモンストレーションの内容
栗原教授と学生たちは「Spot」を使い、ブドウ農場の地形をマッピングしました。ロボットは周囲の環境を把握し、音声認識機能を活用して、自動で収穫用の籠をトラックまで運ぶという流れを実演しました。この過程でのロボットの機動性や操作の正確性が確認され、参加者からは感心の声が上がりました。
「Unitree Go2」を使用した実験では、おかやまテックガレージに所属する学生たちが、ロボットにジャンプや障害物の回避を実行させ、その能力を検証しました。これにより、農作業におけるロボットの活用範囲が広がることが期待されます。
地元農業者との意見交換
実証実験の後には地元の農業者と意見交換を行い、参加者からは「犬型ロボットによって身体的な負担が軽減されるのではないか」といった意見が寄せられました。また、「防犯や鳥獣害対策としての活用も視野に入れられる」との声もあり、地域の課題解決に向けた技術の可能性について活発な議論が行われました。
岡山大学は、地域の農業現場と連携しつつ、最先端技術を活用した持続可能な農業の実現を目指していく方針を示しています。今後も継続的に実証実験を重ね、技術革新を進めていくことで、地域と共に歩む姿勢を大切にしていくことでしょう。
まとめ
国立大学法人岡山大学の取り組みは、地域の中核・特色ある研究機関として、地域のニーズに応えるものであり、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献も促進しています。このようなプロジェクトが果たす役割には、大きな期待が寄せられています。岡山大学と地域が共に発展していく姿を、多くの方が注目していることでしょう。