行政における文書・データ管理の現状
近年、多くの自治体が生成AIの導入を進めているものの、実際には成果が思わしくないという声が多い背景には、庁内データの整備不足が影響していると指摘されています。こうした実態を明らかにするため、一般社団法人自治体DX推進協議会は全国の自治体を対象に「自治体における文書・データ管理および生成AI活用に関する実態調査」を実施しました。本記事ではその調査結果の概要と、行政運営における課題についてご紹介します。
調査の概要
調査は、2026年6月から7月にかけて行われ、41都道府県・133自治体からの回答を得ました。文書・データ管理の重要性について94.7%が「重要」と認識しており、その内訳は「非常に重要」が64.7%、また「ある程度重要」が30.1%という結果が表れました。しかし、ファイルサーバの整理や文書管理の見直しには着手できていない自治体が、60.9%にのぼることが明らかとなりました。
課題の認識とその原因
調査の結果、自治体が抱える課題は「人手不足」と「時間のなさ」が大きな要因であることが浮き彫りになりました。回答者の54.1%が、「人手・時間が足りず手が回らない」と答え、生成AIの活用に向けてデータ整備が急務であると認識しつつも、実施には至っていない現状を示しました。
ファイルサーバーの現状
庁内のファイルサーバでは、容量が逼迫し、個人名フォルダが乱立、またどれが最新版かわからないファイルが多数存在しているという状況です。それに加えて、機密情報と通常ファイルが混在するなど、データ管理の課題が蓄積されています。さらに担当者の異動によって前任者が残したファイルが引き継がれない問題もあり、知識の継承が途絶える危険性があります。
調査報告会の実施
この実態調査の結果は、2026年8月5日にオンラインで実施される報告会で発表される予定です。この報告会では、集計結果を全ての自治体に共有する過程で、AIに読み込ませるためのデータの土壌をどう整備していくべきか、一緒に考えていく場となります。特別講演には、川口弘行氏が登壇し、ファイル管理から始まる新たな庁内DXの形を提案します。この講演を通じて、AIにどのように業務を支援させることができるのか、さらなるヒントが得られることでしょう。
まとめ
自治体の文書・データ管理の現状は、課題が山積しているものの、それを解決することで生成AIの活用は新たな可能性を秘めています。本報告会では、実際にデータの整理整頓に向けた具体的な手立てや、組織としての知識継承の方法論を探るきっかけとなることが期待されています。自治体の未来を考える上で、見逃せないイベントとなるでしょう。参加は無料で事前登録が必要ですので、興味のある方はぜひお申し込みください。