西洋と日本の美の融合を学ぶ、ドレスの哲学に迫るイベント

現在、東京・港区南青山に位置するポーラ文化研究所化粧文化ギャラリーでは、興味深いイベントが開催されています。特に注目を集めるのは、衣服標本家の長谷川彰良さんをゲストに迎えたトークイベント「『仕立てられた身体』構造から読む、ドレスの哲学」です。このイベントは、ドレスやコルセット、ボディスなど、19世紀から20世紀にかけての貴重なコレクションを通じて、ファッションの深い魅力に触れることができる貴重な機会です。

ドレスの魅力を直に体感

参加者は、まるでタイムスリップしたかのように、歴史的なドレスを間近で観賞し、時には優しく手に取ることもできます。1840年代のアンダードレスや、日本に影響を受けたジャポニズムデザインのティーガウンなど、視覚だけでなく触覚をも刺激する内容です。長谷川さんがそれぞれの衣服について詳細に解説する様子は、参加者を魅了し、普段は知ることのできないドレスの構造やデザインについての疑問にも丁寧に答えます。

展示会場には、様々なファッションプレートやジャポニズムを表現したドレスのパネルが飾られており、西洋がどのように日本の文化を取り入れたのかを視覚的に体験できます。このような貴重なコレクションが近くで見られ、触れられる機会はそう多くはないため、訪れた人々はその美しさを存分に堪能しています。

学芸員の視点

イベントを企画したポーラ文化研究所の学芸員、渡辺美知代さんは、「最近ずっと長谷川さんの研究活動に共鳴し、彼と共に働くことができるこのイベントが実現しました。私たちは化粧文化を研究し、ファッションと化粧の関係をより深く伝えていきたいと考えています」と語ります。化粧と装いという二つのテーマが交わることで、ライフスタイルの新たなヒントを参加者に提供できることを願っています。