スマートウォッチ利用者601名の健康管理実態調査
株式会社テックドクターは、疾患を抱えるスマートウォッチやウェアラブルデバイスを使用している601名を対象に、健康管理に関する調査を実施しました。この調査では、利用者がどのようにデータを活用しているのか、またその課題について深掘りしています。
調査の背景と目的
近年、Apple Watchをはじめとするスマートウォッチが医療分野においても使用されるようになり、そのデータは医療機関にとって新しい情報源となっています。しかし、疾患を持つ人たちがどの程度このデータを利用しているのか、まだ十分に把握されていません。
テックドクターは、医師向け調査に次いで、患者に焦点を当てた調査を実施。この取り組みを通じて、ウェアラブルデバイスのデータをより良く利用するための次のステップを探し出そうとしています。
調査の結果
調査の結果、多くの利用者がウェアラブルデバイスを健康管理に活用していることが明らかとなりました。
1.
データの利用目的
- 最も多かった利用目的は「活動量の管理」で、全体の56.9%がこの目的で使っています。一方、「疾患の記録・管理」などの用途で使用しているのは2〜5割と、まだまだ広がりが限られている様子です。
2.
データ確認の頻度
- 利用者のうち、52.9%が「ほぼ毎日データを確認している」と回答し、週に数回の確認を含めると約80%が日常的にデータをチェックしていることが分かりました。これは、ウェアラブルデバイスのデータが日常生活の一部となっていることを示しています。
3.
データの役立ち度
- 約72.6%の利用者が「データが役に立っている」と感じており、特に心拍や睡眠、活動量のデータが自身の体調を理解する手助けになっていると実感しています。これにより、ユーザーは自分の健康状態を管理しやすくなっているようです。
4.
データ共有の状況
- 年齢による大きな差が見られ、高齢層ほど医療機関へのデータ共有に対する心理的なハードルが高いことが判明しました。20代から40代の利用者에서는、データを医師に定期的に共有している人が約50%に達しているのに対し、50代以上ではこの割合が低下しています。
5.
主な不安点
- 調査の結果、測定結果の正確性が最も多く挙げられています。特に高齢層は「特に困っていない」との回答が多く見られ、デバイスの使い方においては受動的な利用にとどまる傾向が見受けられました。
総括とテックドクターの取り組み
今回の調査から、ウェアラブルデバイスを利用して疾患を管理したいという意見が多く寄せられました。しかし、測定結果の正確性に対する不安は依然として高く、特に高齢層においてはその活用が限定されていることが分かりました。テックドクターは、ウェアラブルデバイスのデータを効果的に活用するためのアプリや医療者向けのダッシュボードを開発中で、今後もサービスの向上に努めていく所存です。日常のデータが、自身の健康を理解しやすくし、医療への橋渡しとなることを目指しています。