役員育成の実態と課題:準備不足を乗り越えるための道筋
株式会社グロービスが実施した「役員育成に関する実態調査」によると、約86%の役員が「体系的で十分な準備機会がないまま」役員に就任していることが判明しました。これは、役員教育が急務となっていることを示唆しています。調査は290名の国内企業役員を対象に実施され、役員層が持つ複雑な経営課題への対応力の強化が求められています。
調査の背景
コーポレートガバナンス改革を背景に、企業は取締役会の実効性向上を求められています。さらに、DXやAIが経営における新たな戦略として進化する中で、役員にはより多様な知見が必要とされています。このような複雑な環境下において、役員育成の機会が不足しているのは明白です。
実際には、役員の約86%は準備が不十分な状態で就任しており、役員に必要なスキルや知識を得ることが困難な状況が続いています。この現状は、企業の持続的成長に対する大きなリスクとなるでしょう。
調査結果の要約
1.
就任時の準備機会
約86%の役員が「独学や手探り」での準備であり、体系的な学びが不足しています。これは企業規模に関わらず共通しており、特に就任1年未満の役員の71%が準備不足を感じています。
2.
難易度の高い経営課題
経営課題として最も多く選ばれたのは「次世代リーダー育成・組織文化変革」で、68%がこれに関連する知識を強化する必要性を感じています。さらに、スキル不足が意思決定の質にも影響するとの意見が87%の社外取締役経験者から寄せられています。
3.
全社テーマへの関与の課題
役員の64%が管掌外の全社テーマへの関与に苦労しており、特に執行役員はその傾向が強いことがわかりました。専門知識や最新情報の不足、役割分担への遠慮などが障壁となっています。
4.
学びの時間確保の難しさ
約61%が「スケジュール確保(多忙)」を学びの阻害要因として挙げており、学習機会の設計が真の課題です。
5.
育成手法の多様性
社外取締役は、役員育成において多様な学びの手法が求められ、育成内容の幅広さも重要視されています。
役員育成に向けた提言
役員育成においては、次の4つの設計要素が重要です:
1.
オンボーディング: 就任前後に必要な知識とスキルを身に付ける機会の提供。
2.
サクセッションプラン: 次世代経営人材の継続的な育成体系を整備。
3.
全社視点の対話: 管掌を越えた経営課題に関する意見交換の場の提供。
4.
継続学習の支援: 多忙な役員でも継続的に学べる仕組みづくり。
グロービスは、役員育成プログラムやエグゼクティブ支援を通じて、経営チームの力を強化し、日本企業の持続的成長に貢献することを目指しています。役員一人ひとりが変革を担うためのスキルと知識を得られるような教育の必要性が、今後ますます高まっていくことでしょう。
詳細な調査結果は、
こちらからダウンロードできます。