Aichi GX Acceleration Program 2025年度スタートアップ5社の紹介
愛知県が主催する「Aichi GX Acceleration Program」は、地域のものづくり産業と革新技術の融合を目指し、スタートアップの支援を行っています。今年度プログラムの参加企業5社が決定し、それぞれが地球環境に配慮したサービスや製品を提案しています。本記事では、彼らの特色をひとつずつ紹介いたします。
参加スタートアップ一覧
1. ESREE Energy株式会社
ESREE Energyは自然冷媒(CO2)を用いたPumped Thermal Energy Storage(PTES)システムの開発を行っています。この技術は、余剰電力を利用してヒートポンプを回し、熱を効率的に生成・蓄熱することが可能です。発電に必要な際には、温度差を利用して電力を生み出せるため、エネルギーの効率的利用が期待されています。また、産業用の加熱や冷暖房にも応用できるのが特長です。
2. 株式会社komham
株式会社komhamは独自の微生物群「コムハム」を利用して、生ごみや有機性廃棄物を迅速に分解・資源化する技術を提供しています。このバイオ技術により、従来数週間かかる堆肥化が最短1日で実現可能となります。彼らの主力製品「スマートコンポスト®」は、IoTやソーラー発電を取り入れた独立型処理機で、自治体や企業と共同で実証実験を進めています。堆肥化を地球環境の保護につなげ、地域循環型社会の実現を目指しています。
3. 株式会社comvey
comveyは、EC事業者向けに郵便ポストに返却できるリユース梱包「シェアバッグ®︎」とそれを運用するオペレーションシステムを提供している企業です。消費者は梱包方法を選択でき、返却も簡単。これにより包装資材のゴミ削減やCO2排出削減を図ることができます。エンドユーザーは使いやすさを享受し、事業者側はロイヤリティ向上につながるというウィンウィンの関係を提供します。
4. 株式会社スリーラボ
名古屋工業大学が開発したレーザ加工技術を活用しているスリーラボは、切削工具の再研磨業務を革新しています。この新技術により、従来再研磨ができなかった工具も再加工が可能になるため、経済的な価値をもたらすとともに、環境負荷の軽減にも寄与します。年間2000億円規模の経済的価値を生むこの取り組みは、持続可能な社会に向けた大きな一歩です。
5. リッパー株式会社
リッパーは、石油由来のカーボンブラックに代わる自然由来の材料を使用した、環境配慮型のナチュラルカラータイヤを開発中です。これにより、タイヤの製造および廃棄時のCO2排出を削減。さらに、タイヤ粉じんによるマイクロプラスチックの排出にも対処することを目指しています。
今後のイベント情報
2024年8月20日には、採択スタートアップによるピッチおよび事業会社とのマッチング会が行われます。場所は名古屋市のSTATIONAiです。これによりスタートアップと事業者が直接交流し、さらなるビジネスの可能性を探る機会となります。
まとめ
Aichi GX Acceleration Programは、地域のスタートアップと企業がともに成長し、持続可能な社会の実現を目指すプロジェクトです。これらの新進企業が生み出すアイデアが、今後の愛知県における産業の未来を切り開いていくことでしょう。