地方創生の新たな道しるべ、地方みらい共創戦略とは

地方みらい共創戦略について

令和7年5月28日、農林水産省は「地方みらい共創研究会」を開催し、「地方みらい共創戦略」の取りまとめを発表しました。この戦略は、農林水産地域における
「地方創生2.0」を実現するための道しるべとなります。独自の特徴を持つ7つの分野で、異なる主体同士の協力を通じて新しい価値を創造することが目指されているのです。

1. 地方みらい共創戦略の特徴

この共創戦略は、まず「おいしく豊かで楽しい地方」というコンセプトからスタートしています。これは、農林水産業が活性化し、若者や女性、外国からの観光客などが訪れたくなる地域を作り上げることを目的としています。この目標を達成するためには、グローバルな市場と地方産業を結び付けるグローカル成長が不可欠です。

2. 具体的な施策

地方みらい共創戦略は、次の7つの主要分野に分かれた取り組みを通じて推進されます：

- 里業（農業資源の有効利用）
- 森業（森林の価値を最大限に生かす）
- 海業（水産資源の活性化）

これらの分野に対し、それぞれの特性を生かした施策が講じられます。特に、農林水産業の付加価値を向上させるために、「農林水産地方創生センター（仮称）」を設け、地域における官民合同の共創拠点を形成していく予定です。このセンターは、地域の特性を反映した新しい発展の核となるでしょう。

3. 里業・森業・海業の推進

- 里業では、地域の農泊事業と公共団体が協力し、食のあらたな価値を創造する「里業・食みらい共創地域（仮称）」を設定します。
- 森業については、地域の森林資源を生かし、民間団体と連携した支援などで推進していきます。
- 海業では、多様な主体と協力し、地域振興の支援を行います。このように、それぞれの分野が持つ特性や資源を最大限に引き出す措置が求められています。

4. 共創事例のプラットフォーム

農林水産業の発展を支えるために、官民の協力のもと「農山漁村経済・生活環境創生プラットフォーム」を設置します。このプラットフォームは、成功した共創事例のモデル地域の選定や実証を行い、広域的に展開していくことを目指します。また、優れた貢献をした企業を表彰することも予定されており、地域間の競争を活性化する要素ともなるでしょう。