ギリアドの2024年度業績発表
2024年2月11日、ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)が2024年度第4四半期および通期の業績を発表しました。同社は新薬の登場や既存の製品の売上増が重要な要因となっていることを強調しています。本記事では、その詳細をお伝えします。
2024年第4四半期の業績概要
2024年第4四半期の収益は76億ドルで、前年比6%の増加を記録しました。これは主に、HIV、オンコロジー、肝臓疾患分野での売上が伸びたためです。しかし、COVID-19治療薬であるベクルリー(レムデシビル)の売上が53%減少したことで、一部相殺された形となっています。
収益の主な要因
- - HIV製品の売上: 2024年第4四半期では、HIV関連製品の売上が55億ドルと前年比で16%増加しました。この要因には需要増や平均実勢価格の上昇が影響しています。
- - オンコロジー分野: また、細胞治療薬の売上も好調で、特にイエスカルタの売上が前年比で6%増の39億ドルに達しました。
営業利益と株主還元
希薄化後の1株当たり利益(EPS)は1.42ドルとなり、前年比で上昇しています。これは主に製品売上高の増加と売上原価の減少に起因しています。また、営業キャッシュフローは30億ドルに上り、強固な財務基盤が示されています。
株主還元の動き
2024年第4四半期中、ギリアドは35億ドルの無担保シニア債を発行し、9億7300万ドルの現金配当を支払い、3億5000万ドルで自社株買いを実施しました。
2024年度全体の業績
2024年度の総売上高は288億ドルで、前年より6%増加しました。HIV関連の製品売上高は196億ドルで、前年比8%増を達成しました。特にビクタルビの売上は前年比13%増の134億ドルに達しました。
ベクルリーの影響
一方、ベクルリーの売上は前年比で18%減少し、18億ドルとなっています。COVID-19関連の入院率の低下が直接的な原因とされています。
今後の展望
ギリアドは、2025年夏にHIV予防薬であるレナカパビルの市場投入を見込んでおり、将来的な成長に期待が寄せられています。CEOのダニエル・オデイ氏は、新薬の上市がHIV予防の選択肢を広げると述べています。この動きは、同社の業績にも寄与することが期待されます。
■ 結論
指数的な成長を続けるギリアドは、今後も医薬品の多様化や新薬の市場投入によって、さらなる成長を目指す方針です。株主還元にも積極的であり、安定した経営基盤を築いていることが伺えます。今後の動向にも目が離せません。