ジビエの新たな可能性を切り開く「+GIBIERプロジェクト」始動

ジビエの新たな挑戦、+GIBIERプロジェクト

近年、日本の農作物は野生鳥獣の影響で多大な被害を受けています。この課題に対し、東洋製罐グループホールディングスは辻󠄀調理師専門学校及び日本ジビエ振興協会と協力し、新たな取り組み「+GIBIERプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、ジビエを通じて食材の持つ新たな価値を探求し、平素捨てられてしまう鳥獣の運用を見直すことを目指しています。

プロジェクトの背景

農林水産省のデータによれば、令和5年度には164億円もの農作物被害が報告されています。この中でも特にクマなどの大型動物による被害が増加しており、ますます問題視されています。こうした課題を受け、2021年より開始された「+Recipeプロジェクト」の一環として、ジビエの利用を促進することが重要視されてきました。そしてこちらのプロジェクトの第2弾として、レトルト技術を駆使してジビエの利活用にチャレンジすることが決定したのです。

ジビエ利活用の課題

ジビエの利活用においては、以下の3つの主な課題があります。1つ目は「安全性」です。野生鳥獣は、様々な病原体を保持している可能性があるため、衛生的な施設で適切に処理する必要があります。

2つ目は「流通と保管」です。ジビエは農作物被害対策として捕獲されるため、安定した供給が困難です。3つ目は「手間」で、専門知識が求められたり、調理に時間がかかるため、飲食店での扱いが難しい場合があります。